アニメ・マンガから分かる中国における「金持ち」への心象変化=自慢を許容するムードに

Record China    2014年2月2日(日) 23時55分

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「土豪」という言葉の意味を大雑把に言えば、「金持ち」「大金を派手に使う、大金をはたいて手に入れたコレクションを見せびらかす」といった人になるかと思います。写真はジュエリーフェア会場の床に敷き詰められた金塊。

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ありがたいことに「中国のネットでは最近土豪ネタが増えているようですが、中国オタク的には土豪と言えばどんなキャラが有名なのでしょうか?」という質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。

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ご質問にもあるように最近中国では「土豪」という言葉や、それに伴うネタが流行っています。この「土豪」という言葉の意味を大雑把に言えば、「金持ち」「大金を派手に使う、大金をはたいて手に入れたコレクションを見せびらかす」といった人になるかと思います。「土豪の人、友達になろうじゃないか!」みたいなネタ発言も飛び交ったりしていますね。

また中国オタク界隈では、ネタ混じりでの「金持ち」「金持ちキャラ」 的な意味や、グッズを買いまくれるような財力のある人、またその買いまくったグッズをネットに晒す人などに対して使われているようです。

先日中国のソッチ系のサイトを巡回していて、この「土豪」的なキャラについてのやり取りを見かけることが出来ましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

■中国人オタクの議論

最近ネットでは「土豪」のネタが随分と増えているように感じられるが、二次元の中の土豪というか金持ち的なキャラで、みんながイメージするのって誰?とりあえず私は「ちびまる子ちゃん」の花輪くんが真っ先に思いついたんだけど。

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「遊戯王」の海馬社長。でも話が進んでいくと性格が変わるし、本人の金持ち部分以外のキャラが濃いから案外「土豪」という気はしないんだよね。登場した時なんかはまんま「土豪」なキャラだったはずなのに…。

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「クレヨンしんちゃん」の風間くんや「ドラえもん」のスネ夫とかかな。子供の頃に見た作品がすぐに思い浮かぶ。

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自分もやはりスネ夫かな。のび太に見せびらかすだけ見せびらかしてくるのとか、とても土豪だ。

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金の使いっぷりなら「ケロロ軍曹」の西澤桃華を推すぞ!

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イメージするというか、すぐに思いついたのはポケモンのコジロウ。あいつの実家が金持ちって設定は結構好き。

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考えるまでも無く最も金持ちというのは「Fate」のギルガメッシュだろ。

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金ぴかはもう土豪だとか金持ちってレベルじゃないような…。いやでも、二次元に出てくる金持ちはトンデモナイのが多いから、金ぴかがダントツってことはないかもしれない。

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設定突き詰めたら金ぴかの方が上かもしれないが、イメージだけなら「ドラゴンボール」のブルマの方が金持ちってイメージだわ。

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私が思いついたのは「僕は友達が少ない」の肉。てか最近のハーレム系作品のヒロインはだいたい一人は金持ちキャラがいるような。

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その流れなら自分は「ハヤテのごとく!」の「三千院ナギ」を。ウチの国ではお嬢様の代名詞的キャラだし。

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じゃあ私は大道寺知世ということで。

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ハーレム系に限らずヒロイン格の女性キャラが複数いる場合は大抵一人は金持ち属性がつくし場合によってはそこに名家属性も付くと思う。

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昔はライバルキャラが金持ちって感じが多かったように思うけど、まぁこれは最近自分の接している作品がオタク寄りになってきたのもあるかな。とりあえず自分の金持ちキャラの記憶を遡ってみると、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の三国藤吉が子供の頃は印象深かったように思う。

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ライバルというか、メインキャラに一人金持ちがいると話が作り易いってのはあるんじゃないだろうか。例えば「名探偵コナン」の鈴木園子とか、舞台設定的に実はかなり使い勝手の良いキャラなんじゃないかと…。

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いやいや、ハーレム系作品に限った話じゃないぞ。その点に関して男性向け作品はむしろ後発だろう。少女漫画などもそうだが、女性向け作品では昔から金持ちキャラが多い。もちろん少年向けの作品にも無かったわけではないが、少女漫画などと比べれば比率的には低いはずだ。

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あー、確かに白馬の王子的キャラには経済力が必要だし、シンデレラストーリーは定番だからな。

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花より男子」のF4とか全員金持ちだよね。

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むちゃくちゃ金持ちという描写が無くても、なぜか親は忙しいか出張中でほぼ独り暮らし、そこに幼なじみか妹を備えている生活環境の主人公は土豪だと思います。

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ヘンな話なのは承知しているが、自分の中で「土豪だ!」と思ったキャラは秋山澪。理由は彼女の使っているヘッドフォンの値段を知っていたから。「けいおん!」の中では琴吹紬の方がはるかに高いレベルの金持ちなのは理解しているんだが、そっちは二次元のネタ描写として流してしまっているんだよな。

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その感覚は理解できる。想像し難い金持ちというよりも、自分の想像できる範囲の消費活動で贅沢にふるまうと妙に土豪な印象に残るよな。そんな現在の土豪ってイメージなら「神のみ」の桂木桂馬とかもそうかな。大量のギャルゲーを片っ端から買い、それに加えて各種ゲームハードや音響・映像機器が揃っている。ある種の典型的なオタクの土豪だと思う。

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ネット上で自分のコレクションを晒している人達が一番の土豪っぽいと感じるわ。ある程度は想像できる範囲にあるだけに、妙に現実感がある。いや、現実の話なんだがそこはなんか非現実的なものに見えるような気もしてしまってな。

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なんとなく言いたいことは分かる。グッズを晒す土豪の人達の情報ってネットを経由するから、なんか2.5次元くらいのネタっぽく感じたりもするんだよね。それに俺のレベルだと同人グッズならまだしも日本でさえ入手が難しいであろう限定グッズとかになると使った金額もそうだが、入手ルートもイマイチ想像できないし。

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考えてみればその辺も含めて、ネタっぽく扱える空気になったのは随分と大きな変化なのかもね。土豪ネタとか昔だったら叩く対象になって終わりだったのが、近頃はトンデモネタになってきているし。

とまぁ、こんな感じで。

■成金趣味的コレクション自慢を許容するムードに

印象に残るキャラはやはり小さい頃に見た作品のキャラという人が多いようです。

それにしても、上の発言にもありますが最近は中国オタクの間で趣味にお金を使う、散財することに対する感性が変わってきているように思えます。何と言いますか、自分の趣味に関するダメっぷりを自慢するような所がかなり出て来たような感じですかね。

中国オタクの間では「アニメや漫画は文化」「アニメや漫画は作品だけで勝負するべき」という考えが根強く、アニメや漫画が作品以外のグッズ展開やタイアップで利益を上げようとすることなどに対しては「搾取」「悪質な利益追求」といった風に受け取り『騙銭』などと言って蔑む態度を取る人が少なくなかったのですが、最近はネタ混じりに自分のコレクションやら散財、「土豪的な行為」を晒す人も増えています。

この辺については情報やモノが無かった昔に比べて、中国でもオタク関連のアイテムや情報が増え、オタク趣味に関して散財というかお金を使う方向性が見えるようになってきたのと、そういったことに関するつながりや環境が整ってきたのも影響しているのではないか…などとも考えてしまいます。

◆筆者プロフィール:百元籠羊(ひゃくげんかごひつじ)

90年代から中国現地校に通い、当時中国人の対日感情がどんどん悪化していく中で予想もしなかった「日本のアニメや漫画、オタク文化が好き」な中国人達と遭遇。以後、オタクな中国人との交流が続いている。中国における日本のオタクコンテンツやいつの間にか広まっちゃった日本のオタク文化に対する反応、オタク分野の交流等についての情報を発信するブログを運営中。

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