空自、中国から絶え間ない圧力、「緊張状態に置き機材や乗員の疲弊狙う」と米CNN

Record China    2020年8月2日(日) 8時30分

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航空自衛隊が中国からの絶え間ない圧力に直面と米CNNが報道。「空自を緊張状態に置き、機材や乗員が疲弊するのを狙っているのでは」との専門家の見方を紹介した。中国軍機H-6K

航空自衛隊が中国からの絶え間ない圧力に直面している、と米CNNが報じた。2019年度のスクランブル(緊急発進)の回数は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の2倍強。CNNは「自衛隊を緊張状態に置き、受け身に回らせ、機材や乗員が疲弊するのを狙っているのでは」との専門家の見方を紹介した。

防衛省によると、19年4月から20年3月までのスクランブル回数は947回。過去3番目の回数となった。947回のうち、中国機に対する発進は前年度より37回増加した675回で、全体の約71%を占める。緊急発進で初めてH-6爆撃機などによる沖縄本島―宮古島間の通過飛行、Y-9早期警戒機の初視認などもあった。ロシア機は前年度から75回減少の268回で、全体の約28%だった。

一方、CNNによると、NATO加盟27カ国の空軍戦闘機は19年(暦年)の1年間に約430回出動し、国籍不明の航空機に対するインターセプトや目視を行った。これらの航空機はNATOの空域に侵入したり、接近したりしていた。

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の広報担当によれば、NORADの指揮下にある米国とカナダの戦闘機がロシアの戦闘機をインターセプトした回数は07年以降で平均して7回にとどまる。スクランブルが一度もなかった年もあったという。 しかし、日本にはそのような小休止はなく、NORADと同じく07年から振り返ってみても最もスクランブルの回数が少なかったのは09 年だが、それでも200回以上発進していた。

CNNのインタビューに応じた沖縄県那覇基地の空自第204飛行隊に所属する現役パイロット(40)は「領空侵犯に対するスクランブルの数は過去10年で急速に増加した。特に南西の空域では」と指摘。「常に緊張感をもって地上で待機しており、空に上がっても同様で、常にモチベーションを高く維持している」と強調し、「なぜなら、一度上空に上がったら、何が待ち受けているかわからないからだ。(中国機が)去っていくのを目にするかもしれないし、あるいは、対決することになるかもしれない」と語った。

中国機が日本の領空を侵犯することはないが、防空識別圏(ADIZ)にはしばしば進入する。オーストラリア空軍の元パイロットで専門家のピーター・レイトン氏は、中国が日本の空域に与えているプレッシャーはより大きな計画の一部だとの見方を示した。同氏は中国の意図について「常に自衛隊を緊張状態に置き、受け身に回らせ、機材や乗員が疲弊するのを狙っているのではないか。紛争の渦中にある島(沖縄県尖閣諸島=中国名・魚釣島)を誰が所有しているのかについて、プレッシャーをかけ続けたいのだろう」と述べた。(編集/日向)

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