Record China 2020年7月30日(木) 7時20分
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28日、米華字メディア多維新聞は、米中間の対立で中国がレアアースの「武器」を持つ一方で、米国は窒素で対抗する可能性があると報じた。写真はレアアース採掘。
2020年7月28日、米華字メディア・多維新聞は、米中間の対立で中国がレアアースの「武器」を持つ一方で、米国は窒素で対抗する可能性があると報じた。
記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの28日付報道を引用。寧夏回族自治区塩池県にある中国科学院の天然ガス加工工場で初の商業用窒素製造設備が始動したと伝えた。
そして、この設備の年間生産量が20トンと中国の年平均消費量4300トンには遠く及ばないものの、設備コストを輸入コストと比べた場合に「大いに競争力がある」と紹介。昨年、米中貿易戦争などさまざまな要因から窒素の価格が大きく跳ね上がったこと、今後貿易戦争が続けば中国がレアアースを「武器」とするのに対し、米国が窒素の対中輸出停止を報復措置として講じる可能性があることに言及し、中国が窒素生産の取り組みを強化する背景として説明した。
また、中国では同様の設備を数百カ所設置し、自前で窒素を生産する能力を備えて米国からの窒素輸出依存度を低減することが可能だとする一方で、輸入依存から脱却するほどの生産能力を備えるまでには「少なくとも10年の時間は必要だ」との見方も出ていると伝えた。
記事はさらに、米国でもレアアースの対中依存を減らすプランの研究が行われており、5月には共和党のテッド・クルーズ上院議員が自国のレアアース産業を活性化すべく地元の鉱山開発業者やレアアース製造業者に税制面での優遇を与えるとともに、国防総省に対してすべての武器に使用するレアアース製品を中国産から米国産に切り替えるよう求める法案を提出したとの報道があったことを紹介している。
一方で「米政界では多くの人がレアアースの対中依存低減に同意しているものの、具体的な方法については議論が絶えない」とし、米国が「中国抜き」による安全なレアアースのサプライチェーンを確保するには、やはり少なくとも10年は必要だとする分析を伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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