ミセス・ワタナベはなぜブラジル・レアルを高評価するのか?―中国メディア

Record China    2014年1月27日(月) 0時30分

拡大

24日、日本の主婦投資家はこれまで、収益率の高い海外資産に投資して利ざやでもうけてきた。最近また動き出す様子をみせ、はるか彼方のブラジルに目を向けている。資料写真。

(1 / 2 枚)

2014年1月24日、ミセス・ワタナベとは投資の世界で使われる用語で、大量の現金を保有する日本の主婦投資家のことを指している。ミセス・ワタナベはこれまで、収益率の高い海外資産に投資して利ざやでもうけてきた。最近また動き出す様子をみせ、はるか彼方のブラジルに目を向けている。人民日報が伝えた。

その他の写真

統計によると、2013年12月、日本銀行(中央銀行)はブラジルレアル債権を3億5000万ドル(約365億円)受託販売することとし、日本で発行される新興市場国の国債としては最も量の多いものになった。あるメディアによると、遠く海を隔てたミセス・ワタナベは劣勢を挽回しようと奮起し、結果的に弱々しいブラジル経済を救済したのだという。

ミセス・ワタナベがブラジル債に目を付けたのは、利益を得るのがもちろん目的だが、ここにはブラジル経済が抱える問題が反映されてもいる。昨年以来、中国などのアジア諸国の経済成長の歩みが鈍化した影響で、ブラジルの伝統的な輸出の強みである鉄鉱石や大豆といった大口商品の価格が暴落した。これに加えて米国が自国のシェールガス生産を増やしたため、ブラジルからの石油輸入が減少し、ブラジルの対米輸出は60%も減少した。こうした諸々の要因によってレアルの対米ドルレートは一気に下降線をたどり、昨年から累計13%低下し、ブラジル国内ではインフレ圧力が高まっている。13年4月以降、ブラジルは金利引き上げの周期に入り、ブラジル中央銀行は14年1月15日までに7回の引き上げを行い、基準金利は10.5%に達した。

ブラジル経済の不調によってブラジル国債の金利が上昇しており、ミセス・ワタナベにチャンスがめぐってきた。日本銀行が実施した超金融緩和政策を受け、円が大幅に値下がり。ミセス・ワタナベは貯金していても資産が少しも増えないことから、このタイミングを利用して外貨市場でブラジル国債を買いあさるようになった。円の対レアルレートが下がったら売却し、利ざやを稼ごうというわけだ。日本とブラジルは相当離れており、文化的にも異なるが、高い収益率によって中南米の通貨であるレアルがミセス・ワタナベたちの新しい「人気者」になっている。

ミセス・ワタナベの動きは投機である以上、リスクゼロということはあり得ない。その急進的な投資行為はかつて中南米で「ワーテルローの戦い」に直面したことがある。1990年代、アルゼンチン政府が円建てのサムライ債を発行したことがあり、ミセス・ワタナベはこれをせっせと買い入れた。だが01年にアルゼンチン経済は崩壊し、政府は国債デフォルト(債務不履行)を宣言し、ミセス・ワタナベの損失は元本・利益合わせて約15億6000万ドル(約1627億円)に上った。その後長い間、ミセス・ワタナベは中南米という「チャンスに溢れた土地」を敬して遠ざけるようになった。ところが米国が金融危機に見舞われると、中南米経済が相対的に安定していることから、ミセス・ワタナベのような日本投資家たちは思いがけない高いリターンを手にすることになった。

現在、外部ではこのような見方が出ている。ブラジルの金利引き上げの周期は終わりに近づいており、脆弱な国内の製造業、初級製品の輸出に頼りすぎる経済構造により、ブラジル政府は国内の経済成長を喚起する新政策の推進を改めて考えなければならなくなった。だがブラジルでは今年、大統領選挙があり、ルセフ大統領の政府は高止まりするインフレの抑制に引き続き力を入れざるを得ない。レアルが上昇するか低下するか、金利が上昇するか低下するかは、ブラジルが目下の経済モデル転換でどれくらい遠くまでいけるかにかかっている。レアル債権を大量に抱えたミセス・ワタナベにとっては、これからも結末の読めない冒険が続くことになるとみられる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携