日本企業資産の現金化、「公示送達」期限8月4日に迫る、文在寅政権に決断促す韓国紙―元徴用工訴訟

Record China    2020年7月25日(土) 21時30分

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元徴用工訴訟で日本企業資産の現金化に道を開く「公示送達」の期限が8月4日に迫った。韓国紙は文在寅政権に事態解決に向けた決断を促した。(画像は韓国大統領府Facebookアカウントより)

徴用工訴訟で勝訴した韓国の原告側が差し押さえた日本企業資産の現金化に道を開く「公示送達」の期限が8月4日に迫った。もし現金化されれば、日本側が対抗措置を取るのは必至。日韓関係がさらに泥沼化しかねず、韓国紙は文在寅政権に事態の解決に向けた決断を促した。

公示送達は裁判所での掲示をもって訴状などの書類が相手に届いたとみなす手続き。原告側は被告の日本製鉄が鉄鋼大手ポスコと合弁で設立したリサイクル会社「PNR」の株式約19万4千株を差し押さえている。

効力が発生する8月4日以降に裁判所が命令を出せば、原告は資産評価など株式売却に向けた手続きを前に進めることができる。日本政府は韓国側に現金化を回避するよう求めているが、司法判断の尊重を主張する韓国政府との間で解決策は見いだせていないままだ。韓国国会の文喜相・前議長が2019年末に提出した日韓企業の自発的寄付と両国国民の寄付で賠償金を支払う解決法案は、5月下旬に廃案となった。

現金化について、茂木敏充外相や菅義偉官房長官は「深刻な事態になる。その前に問題を解決しなければいけない」「あらゆる選択肢を視野に毅然(きぜん)と対応していく」などと再三強調。報復カードとしては「韓国政府などが所有する日本国内の資産差し押さえ」「韓国製の製品に対する輸入関税の引き上げ」「駐韓大使・総領事の一時帰国」などが取りざたされているほか、麻生太郎財務相は金融制裁を示唆したこともある。

こうした中、中央日報はイム・ハンテク元外交部条約局長のコラムを掲載。イム氏は「たとえ過去の政府が結んだ協定(1965年の日韓請求権協定)に問題があるといっても、国際社会で責任ある国家としてこれを包容することにより、われわれの自負心と日本に対する道徳的優位を示すことができる」と述べ、「1993年当時、金泳三大統領は日本の真相究明と謝罪および後世に対する教育を要求し、韓国政府が直接救済すると宣言した」と指摘した。

さらに「中国も戦後日本に対する賠償要求を放棄し、『以徳報怨(徳をもって恨みに報いる)』という立場を取った。嫌いだからと言って引っ越しすることもできない日本は、憎かろうがかわいかろうが共に暮らしていかなくてはならない隣国だ」と言及。「これは隣接国である韓日両国の宿命だ。憎しみと不信を今後も先送りしたり永続したりさせてはならない。そろそろ決着させる国民的決断が必要だ。指導者の勇気と国民の支持を結集してこそ可能なことだ」と訴えた。 (編集/日向)

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