<インタビュー>多くの中国人は日本人と仲良くしたい!―日本語作文コンクール最優秀賞の李敏さん(上)

八牧浩行    2014年1月24日(金) 10時49分

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23日、「第9回(13年)中国人の日本語作文コンクール」で最優秀賞を受賞した李敏さんが来日し、Record Chinaのインタビューに応じた。「多くの中国人は日本人と仲良くしたいと思っている」と強調。将来「日中の絆を結ぶ仕事をしたい」と語った。

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2014年1月23日、「第9回(13年)中国人の日本語作文コンクール」(日本僑報社・日中交流研究所主催、日本外務省など後援)で最優秀賞(日本大使賞)を受賞した李敏(リー・ミン)さんが来日し、Record Chinaのインタビューに応じた。「小学生の時、ドラえもんが大好きで、いつも見ていたことが日本語に興味を持ったきっかけ」と話し、「中国と日本は共通点が非常に多く、多くの中国人は日本人と仲良くしたいと思っている」と強調。将来は「日中の絆を結ぶ仕事をしたい」と語った。(聞き手・八牧浩行

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今回の「第9回中国人の日本語作文コンクール」には中国の166大学の3000人近くが応募した。12年秋以降の日中関係緊迫化で応募者数の減少も懸念されたが、前年より1割も増えたという。李さんは最優秀賞受賞者として日本に1週間招待され、日本の外務省や関係企業などを訪問した。

――今回、百人一首をテーマとした作文「カルタ・カンタービレ〜百人一首―ラブストーリー」で最優秀賞に輝きました。日本のカルタに興味を持ったのはなぜですか。

大学3年生の時に大学院の第一志望日本語クラスの受験で古典の百人一首の試験問題が出ると言われ、興味を持ったからです。

――国際的な百人一首カルタ大会にも出場する実力者のようですね。

昨年の福岡の国際大会に出場しました。途中で敗退しましたが貴重な体験でした。

――この「カルタ・カンタービレ(歌うように)」という題名も自分でつけたのですか。クラシック音楽にも造詣が深いようですね。

和歌は眺めるだけでも歌のようですし、百人一首カルタの詠み手さんは歌のように節を付けて詠みます。まるで歌を詠っている感じなのでカンタービレとつけました。

――留学経験もないのに日本語がうまいですね。もともと日本語に興味を持ったのはいつごろですか。

日本語に興味を持ったのは幼い時からです。

――日本のアニメとか漫画などを通じてですか

小学生の時、ドラえもんが大好きで、いつも見ていました。

――先日、上海に行ったら目抜き通りの南京路で大きなドラエモンがショーウインドーの目立つ所に展示されていました。ポケモンやキティちゃんで育った若者が増えているようですね。

今でもよくイベントなどテレビ番組でよく見ます。

――どこの人も同じですね。パンダも日本人は大好きです。日本語は難しいですか

最初は難しかったですが、勉強するうちにだんだん興味が出てきました。

――日本の現代語だけでなく和歌など平安時代の古典もマスターするのは大変だったでしょう

中学校の時、英語を外国語として勉強し始めました。言葉を勉強するのが好きで、大学に進学した時に別の外国語を選ぼうと思った時に、やはり国際性のある日本語を選択しました。

――今回の来日で若い日本人と話す機会はありませんでしたか。レストランとか居酒屋とかで。

行きませんでしたが、北京に留学していた日本人の友達が会いに来てくれて、いろいろ話しました。とても有意義で楽しいひとときでした。

――今のような日本と中国の状況下で、対日感情は微妙と伝えられることも多いですが、いかがですか。

私は日本で違いや変なところを探そうとしたのですが、あんまりないですね。

自分が違和感を感じるところがあっても、外国語を勉強してだんだん言葉を通して、違う国のことを理解すれば受け入れてもらえると思います。話せばお互いに心が通じ合います。勉強するにつれ、「中国人と日本人は違う」という認識がだんだん消えて、「共通している」ということに気がつくようになったと思います。

――あえて違うことを探すうちに、やっぱり同じだということが分かるようになったのですね。

私は文化に関心を持っています。文化を勉強すればするほど中国と日本は共通するものが非常に多い。習慣も漢字も皆同じです。もちろん新しい発見もありますし、もっと勉強しようと思いました。

――日本人の友達も会いに来てくれたように交流することが重要ですね。行かないで嫌い合うことほど愚かなことは有りません。日本や中国に反感を持っている人はごくわずかです。 

反日感情を持っている中国人はほとんどいません。多くの中国人は日本人と仲良くしたいと思っています。

[「<インタビュー>日中の絆を結ぶ仕事をしたい!―日本語作文コンクール最優秀賞の李敏さん(下)」に続く]

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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