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私がまだ青春期と呼ばれた頃は、旅行業界といえば学生の憧れの就職先でした。「兼高かおる」の世界の旅の紹介を見ては、多くの世界の観光地に憧れ続けたものです。写真は岡山城前で城主とお姫様のお出迎えを受ける外客。日本の昔の文化に惹かれるものがあります。
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私がまだ青春期と呼ばれた頃は、旅行業界といえば学生の憧れの就職先でした。「兼高かおる」の世界の旅の紹介を見ては、多くの世界の観光地に憧れ続けたものです。番組終了後約23年、旅行業界は日本の人口相当が利用する国内旅行と約1800万人以上が楽しむ海外旅行へと変化しました。勿論、内容は団体旅行から個人旅行へと多様化・特殊化を遂げております。団体旅行も農協型弾丸ツアーから熟年型ゆとりタイプ(老人型では失礼ですね)へと進化しました。
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では訪日観光はどうでしょうか?今年ようやく1000万人を12月に超えました。私が通訳案内士資格を取得した平成6年冬も確か国土交通省は、訪日外人総数700万人を達成して、上記大目標を近未来に達成すると意気込んでいたように思います。では世界ランキングで1000万人訪日という数字はどのような意味を持つのでしょうか?2012年日本政府観光局(JNTO)の世界各国、地域への外国人訪問者数上位40位では、日本は33位、835万人でした。サッカーのワールドカップの世界順位と似たような状態と言いますか、ようやく予選を勝ち抜いて決勝戦に行けるという状態です。ちなみに昨年1000万人前後の国を紹介すると、スイスが856万人で32位、南アフリカが918万人で28位、ハンガリーが1035万人で27位、シンガポールが1039万人で25位です。これらの国には、治安面が不安定である、面積が日本よりはるかに少ない国が多く、日本より条件的にハンディを背負っている国がほとんどで、必ずしも目標数値が高いとは言えません。再びサッカーを例に取りますと2000年以来2012年ごろまでは、連続のドーハの悲劇が発生しておりました。これはサーズやリーマンショックに震災・放射能や尖閣国有化等で、この天災とそれに伴う人災がインバウンドを含む経済界に与えた影響は計り知れません。
この国では昔から特定の産業分野は、経済成長の恩恵を受けることなく置き去りにされ、○○後進国というレッテルを張られて参りました。例えば、福祉、労働環境、女性の地位、余暇取得や代替エネルギー、過去の燃料電池等は日本国民があまり注目していなかった分野でした。特に華々しい旅行産業の歴史の中で、訪日旅行はインバウンド後進国という不名誉なあだ花のもと細々と生き続けてきたと言えます。実際、訪日旅行は産業と呼べる代物にほど遠く、その実情は外国人ブローカーが横行する準アンダーグラウンドの世界でした。
私がなぜこのブログを書くかをご説明すると、黒船来襲から明治維新が起こり近代国家が形成されたように、訪日外国人の増加により関連の産業が勃興・急成長して、日本の新産業になると思われるからです。過去に後進の代名詞であった燃料電池等の技術は、ハイブリッドや電気自動車の発展に伴い猛烈に加速して先端を走っております。太陽電池パネルや液晶も毎年薄型化しております。インバウンドも同様に時代の追い風の中にいると思えるのです。オリンピック誘致プレゼンでの滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」は有名になりましたが、諸外国からのお客さまへの「お・も・て・な・し」をどの様に具体化するのかが最大の課題です。そのソフト開発は多言語・多文化・多習慣の異文化理解から始まり、古き良き封建的で保守的な我国国民には、このシステム構築は複雑すぎて一朝一夕には不可能でしょう。まずは現状認識から始め、産業が発展してゆく予想を語りたく思います。
◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)
現役通訳案内士(中国語)の他、各種通訳と翻訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。4代に渡る中国と台湾に関わりを持つ日本人の家系に生まれ育つ。北京大学留学後、第2次産業に長く勤務し、攻めの営業と企画で挑戦するという信条の基、新市場への新商品の開発・展開を得意としてきた。現在は訪日外客ビジネスを一大新成長産業に育成することに執念を燃やす。語学・旅行等の資格・スキルとIT技術の駆使で関連業界の垂直統合戦略による需要獲得を目指している。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。
国家資格:通訳案内士(中国語)、国内・総合旅行業務取扱管理者、国内・総合旅程管理主任
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