人民網日本語版 2020年6月10日(水) 16時20分
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タニシ麺は1970−80年代に広西チワン族自治区柳州市で生まれたB級グルメだ。酸味、辛味、香り、旨味がそろっているものの、匂いがきついため、美味しくても敬遠されがちだ。
タニシ麺は1970−80年代に広西チワン族自治区柳州市で生まれたB級グルメだ。酸味、辛味、香り、旨味がそろっているものの、匂いがきついため、美味しくても敬遠されがちだ。科技日報が伝えた。
私たちがよく知る臭みのある食品、例えば臭豆腐や豆汁などは、いずれも発酵によりあの匂いになっている。タニシ麺の中で唯一の発酵食品は酸笋(塩漬け筍)だ。酸笋の作り方はやや荒削りで、丁度いい大きさの筍を選び塩水で漬け、10日もすれば酸味が出る。酸笋の発酵環境は酸素を完全に隔絶せず、好気菌と無気菌の共同作用を起こす。筍に含まれる糖分とタンパク質が発酵し、各種のアミノ酸、有機酸、アルデヒド、アルコールなどの物質に変わる。
広西大学の論文によると、酸笋のシステイン含有量は生の筍を大きく下回るが、トリプトファンは検出されなかった。つまり発酵中にシステインとトリプトファンがその他の物質に変化したということだ。
他にも硫黄アミノ酸とシステインの代謝物であるのは、臭いことで有名な硫化水素だ。これはおならに含まれる匂い成分だ。トリプトファンの代謝物はスカトールと呼ばれる。スカトールは低濃度であれば臭みがなく、多くの花の香りの源でもある。これを香料として添加する香水と芳香剤も多い。しかし濃度が高すぎるとすぐに臭みに変わってしまう。しかもスカトール(中国語は「糞臭素」)という名前からも分かる通り、糞の匂いだ。これは香水を過度に使用すれば臭くなるということをも意味している。
酸笋のシステインとトリプトファンは大量に消耗され、最終的な産物である硫化水素とスカトールが蓄積し、刺激臭が発生する。さらにタニシ麺を作る途中に加熱され、辛味が混ざるため、さまざまな匂い成分の揮発が加速する。食べ終わっても残り香が漂い、病みつきになる。
タニシ麺の臭みに対する酸笋の貢献は非常に大きいが、タニシ麺の味は1、2種類の物質の組み合わせによるものでないことは間違いない。実際にすべての発酵食品の特殊な風味は数十種、さらには百種以上の揮発性物質の混合によるものだ。硫化水素(もしくはその他のメルカプト類)及びスカトールは、その一部の臭みの出処しか説明できない。他には多くのアルコール・アルデヒド・酸類などの物質も、タニシ麺の匂いの元になっている。(編集YF)
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