Record China 2020年6月10日(水) 16時40分
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9日、中国メディアの観察者網は、米国の人種差別を扱ったNHKの動画に駐日米国大使が不快感を示したと伝えた。写真はシアトルの抗議の落書き。
2020年6月9日、中国メディアの観察者網は、米国の人種差別を扱ったNHKの動画に駐日米国大使が不快感を示したと伝えた。
記事はまず、米国で白人警官に首を圧迫され黒人男性のジョージ・フロイドさんが死亡した事件をきっかけに、人種差別に反対する声が世界中で起きており、欧州だけでなく日本でもデモが行われたと紹介した。
その上で、NHKが毎週日曜日に「これでわかった!世界のいま」という国際的な事件を開設する番組を放送していることを挙げ、7日に同番組のツイッター公式アカウントで1分強のアニメーション動画がアップされたことを紹介した。
動画では、白いタンクトップを着た黒人男性が、「黒人と白人の貧富の格差がある」と怒っており、「白人の平均資産が黒人の7倍である」と指摘。「新型コロナウイルスの影響が大きかったのも黒人だ」と怒りの声を上げている。
さらに、自由の女神に対して「失業か労働時間を削られた黒人労働者がどれだけいるのか」と質問し、答えられない自由の女神に対し「45%だ!」と憤慨しながら怒鳴る。
この動画についてハフィントン・ポストは、ニューヨーク在住の津山恵子氏のコメントを紹介。津山氏はこの動画が批判されている理由について「#抗議デモとのハッシュタグがつけられているとはいえ、フロイド氏には言及しておらず、黒人と白人の貧富の格差のことしか述べていない」とした。
そして、最大の問題点は「黒人を恐ろしい人というイメージで描いていることにある」と指摘。「怖い顔で、全身筋肉で、ヤクザしか使わない巻き舌で話している。私の周りではこのような黒人を見ない」と述べており、「太平洋戦争のときに、米国が日本人を怖い存在として描いたような一種のステレオタイプだ」と指摘している。
記事は、この動画について駐日米国臨時代理大使のジョセフ・M・ヤング大使がツイッターで「米国の複雑な人種問題に焦点を当てようとするNHKの意図は理解するが、もっと考察と注意が払われるべきで、使用されたアニメは侮辱的で無神経だ」と投稿したことを紹介し、「駐日米国大使を不快にさせた」と伝えている。
また、「米国大使のツイートに対して日本人のネットユーザーの多くが米国側に立っており、米国に謝罪するコメントが多い」と説明。「NHKの代わりに謝ります。ごめんなさい」「恥ずかしい限りです」などのコメントがあると紹介した。
番組は動画を削除し、「配慮が欠け、不快な思いをさせた」と謝罪した。(翻訳・編集/山中)
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