タイの国立公園内で妊娠中の妻を崖から突き落としたとして逮捕された中国人の男に終身刑が言い渡された。頭条新聞など複数の中国メディアが24日付で伝えた。

被害者の王（ワン）さんによると、24日に現地タイの裁判所で行われた一審判決で、殺人未遂罪などに問われた夫の愈（ユー）被告に終身刑が言い渡された。無罪を主張していた愈被告はその場で控訴する意思を示したという。

王さんは「個人的には判決に満足している」とする一方、愈被告の控訴については「本当に受け入れられなかった。その瞬間、彼はすぐ近くにいたが、心の底から憎かった。涙が止まらなかった」と語った。おなかの子どもは王さんの治療のための投薬などにより、助からなかったという。

事件は2019年6月9日に発生した。タイのウボンラーチャターニー県の国立公園内で高さ34メートルの崖から転落して倒れている王さんを現地の観光客が発見。王さんは全身を骨折する重傷だったが、木がクッションになったことなどで奇跡的に一命をとりとめ、胎児も無事だった。

王さんは当初、警察の調べに「めまいがして崖から落ちた」と話していたが、その後、愈被告に突き落とされたこと、助かった後も愈被告から「しゃべったら殺す」などと脅されていたことを告白。愈被告はその後、王さんの見舞いに訪れたところを現地警察に逮捕された。（翻訳・編集/北田）