アメリカは、中国との紛争で想定される戦場への距離の遠さにも悩んでいる。一般的な戦術戦闘機にとって、距離の遠さは非常に過酷である。今年1月に公開された米国のCSBA(戦略予算評価センター)による研究(Five Priorities for the Air Force’s Future Combat Air Force)によれば、活動する基地が遠くなれば、必要になる戦闘機と空中給油機の数は、幾何級数的に増大するという。
アメリカ空軍の研究では著名なデビッド・デプチューラ中将(退役)等は、ミッチェル研究所のレポート(Ensuring the Common Defense:The Case for Fifth Generation Airpower,2019.4)で、ゲーツの判断は間違っていたと書いている。将来の戦争は、イラクやアフガニスタンで経験してきた低強度の紛争のライン上にあるとゲーツは単純に信じこんでいたが、それは酷い判断ミスだったとしている。
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