関上武司 2020年1月18日(土) 22時40分
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重慶のラブホテルで宿泊したら盤糸洞からリバービューを眺めることになった。
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先月発売された『重慶マニア』(近堂彰一著・パブリブ)が好調な売り上げなので、今回は便乗した記事にしてみた。著者の近堂氏には書籍に掲載された豊都鬼城を紹介し、パブリブとの橋渡しをしたのは実は筆者だ。そういったご縁もあり、昨年の盆休みに重慶へ再訪して撮影した際には、近堂氏にいろいろ貴重な情報をいただいた。中でも重慶のラブホテルの情報は筆者のような人間にとっては非常に有意義だった。『重慶マニア』にはラブホマニアという文字通り重慶のラブホテルを紹介する項目があり、そちらにも注目していただきたい。
2019年8月の重慶は最高気温が37℃くらいだった。湿度も高く、中国の三大火炉と呼ばれるだけあって熱中症で倒れそうだったが、前回訪問時は40℃を越え、重慶市民にとってはそれほど暑くないとのことだった。近堂氏から紹介されたのは嘉陵江沿いのビルの18階にある縁分天空主題酒店だったが、筆者訪問時には屋号が重慶Fate・設計師酒店に変更されていた。タクシーのスマホのナビアプリでは以前の屋号で表記されていたので、少々面喰うことになった。タクシーで向かう場合はビルの名称の高盛創富中心と告げた方が確実だろう。
フロントのスタッフと話をしてみると、ホテルにはリバービューを眺められる部屋が3つあり、全部室内を見せてくれた。洞窟風の部屋の内装コンセプトと眺めが気に入ったので2泊することにしたところ、以前も日本人が宿泊したと教えられた。ラブホテルではあるが、男1人でも問題なく宿泊可能だ。宿泊することにした1832号室は部屋の名前は『西遊記』に登場する盤糸洞(ばんしどう)で、筆者はよほど盤糸洞と縁があるのだろう。室内のベッドは円形だが、回転はしないと思われた。洞窟を模した室内には残念ながら、『西遊記』の孫悟空や三蔵法師の一行、盤糸洞の蜘蛛の女怪の姿は見られなかった。しかしベッド脇の電話の形状はかなりエキセントリックで、本体は口になっており、受話器は舌になっていた。モーニングコールも当然、この電話で対応。この程度は細かいことなので、気にしてはいけない。
シャワーとトイレは当たり前だが、シャワー&トイレの部屋に設置されている。しかし洗面台と浴槽はベッドのすぐ近くにあり、仕切りなどというものは存在していなかった。室内にはテレビもあるが、電化製品に浴槽の湯気が与える影響は考慮していないのだろうか?実際に浴槽を使ってみると、そこまで熱いお湯は出なかったので、そこまで問題ではないのだろうが、釈然としないものはある。このラブホテルの近くには紅崖洞という重慶観光では必見のスポットがあり、部屋から眼下の道路を眺めると夜遅くでもかなり渋滞している。しかしここは浴槽からも眺められる嘉陵江対岸のビルのネオンに注目してもらいたい。近年の中国の大都市のビルのネオンはド派手の一言なのだが、嘉陵江対岸の10棟前後のビルを1つのモニターとしてネオンでメッセージや映像を流している姿は圧巻だ。内容は10分前後で1周する模様。部屋の灯りを消して浴槽から眺めるのもいいだろう。このホテルの1826号室は萌萌愛という名称で室内の内装がとても気になるのだが、それよりも高盛創富中心の22階には高さ68.5m、長さ23mの歩道橋が架かっており、魁星広場とつながっている。極端に平地が少なく、アップダウンが激しい重慶ならではの光景で、市中心部の解放碑が近いのでアクセスは非常に便利だ。この辺の詳細は実際に現地に行くか『重慶マニア』を購入して確認していただきたい。
■筆者プロフィール:関上武司
1977年の愛知県生まれ。愛知大学経営学部卒。中国で留学や駐在員としての勤務経験あり。日本や中国のB級スポットを紹介するブログ・軟体レポートの管理人。中国遊園地の取材で中国の全省、全自治区、全直轄市へ訪問。会社員の傍ら、「中国遊園地大図鑑」シリーズを執筆し、メールマガジンのロードサイダーズ・ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行」を連載中。このほかイベントも開催している。Facebookはこちらtwitterはこちら
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