日本でなぜ除夜の鐘が減っているのか―中国メディア

Record China    2019年12月31日(火) 21時20分

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30日、人民日報は日本で除夜の鐘が少なくなっている理由について分析する記事を掲載した。資料写真。

2019年12月30日、人民日報は日本で除夜の鐘が少なくなっている理由について分析する記事を掲載した。

記事は、正月は日本人にとって最も重要視されている伝統的な祝祭日だと紹介。現代化を追求しつつも伝統的な古い事物を残すのは日本人の得意とするところで、これには大みそかの深夜0時を挟む時間に鐘を108回つくことも含み、風物詩となっていると伝えた。

しかし、この除夜の鐘が最近では消えつつあると記事は指摘。例えば、埼玉県の浦和駅近くにある玉蔵院では、これまで除夜の鐘に毎年約200人が集っていたが、除夜の鐘を中止するとの告知文が貼りだされたことを紹介した。その理由は、近所の寺院に除夜の鐘が「うるさい」との苦情が寄せられたことを知ったからだという。

その上で記事は、こうした「うるさい」との苦情はほかの寺院にも寄せられていると紹介。都内のある寺院では寺の建て替えに伴い鐘の位置を変更したところ、居住区と近くなって苦情が出たほか、静岡県牧之原市にある寺院でも除夜の鐘を鳴らしている時に匿名の苦情の電話が寄せられたことがあり、一時期除夜の鐘を中止し、14年からは昼間に除夜の鐘をついているという。

また記事は、除夜の鐘が減少している理由には、「寺院と和尚の高齢化」や「和尚の減少」も関係していると分析。千葉県松戸市の広竜寺では、除夜の鐘の行事を近隣の住民が手伝って行ってきたが、大きな負担になってきたため、今年から中止すると伝えた。福岡市にある東長寺は、除夜の鐘をつく時間を夕方に変更したが、この決定の背後には住民が深夜に鐘をつくのを手伝うのが大変という理由があるという。

記事は、「本来、煩悩を取り除くための除夜の鐘が、今の日本社会では騒音製造者になってしまい、住民から苦情や反対を受けるようになってしまった」と指摘。これは「日本社会がますます不寛容になっていることの表れ」との分析がある一方で、「エコ社会における一種の進歩」、「伝統文化と現代化の衝突」との意見もあると記事は伝えた。

そして、「外国人からすると、この問題に結論を下すのは難しい」としつつも、「これは中国の春節で都市部では爆竹が禁止されていることと似ている。しかし、中国はトップダウンで決まるのに対し、日本はボトムアップで決まる」と分析。ルートは異なるとはいえ「改善されるならそれでよいのではないか」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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