2013年9月16日、中国人民銀行（中央銀行）の周小川（ジョウ・シャオチュワン）総裁は、最新号の雑誌「求是」に掲載された寄稿文の中で、「包括的金融（インクルーシブ・ファイナンス）の発展を推進し、現代金融サービスをより多くの人々、および経済・社会の発展の脆弱な部分に貢献させる。これは現在の安定成長・雇用確保・構造調整・改革促進の全体計画、および社会の公平・正義の促進に資するものであり、積極的かつ現実的な意義を持つ」と指摘した。寄稿文の内容は下記の通り。中国証券網が伝えた。

包括的金融は、2005年に国連によって提唱された。これは金融インフラの整備により、金融サービスを許容可能な費用により発展途上の地域および低所得層に提供し、リーズナブルかつ利便性の高い金融サービスを提供し、金融サービスの普及率の上昇を促すものだ。

中国人民銀行と金融機関は今後、いかに世界の経験を参考にし包括的金融の発展を促すかについて検討する。国民生活に関する金融の優先を貫き、金融の革新を奨励し、政策支援システムを構築し、多くの人々に金融改革と発展の成果を普及する。

中国共産党第18回全国代表大会の民間金融機関の発展に関する計画、および中国国務院弁公庁の金融による経済構造調整・零細企業発展の支援に関する意見を貫徹し、民間資本による民間銀行の設立を支持し、ミクロ金融を立脚点とする市場地位を確立させる。預金保険制度の制定を推進し、小規模金融機関が大型金融機関と公平に競争できる環境を創造する。少額貸付会社、質屋業、金融保証会社などの、融資機能を持つ非金融機関の規範的な発展を促す。

マクロ信用貸付政策の指導を強化し、金融機関の経済・社会の発展の脆弱な部分に対する信用貸付を奨励・指導する。マクロ信用貸付政策の実施方法を改善し、農業・中小企業関連の信用貸付政策の指導効果の評価を進め、三農（農業・農村・農民）・小企業・国民生活・雇用などに対する信用貸付を拡大する。預金準備率の差別化を続け、「三農」および小企業などの信用貸付資金源を拡大する。農村金融商品・サービス方式の革新を促し、農村抵当・担保物の範囲を拡大し、大型飼養業や家庭農場などの新型農村生産経営主体の融資需要を満たす。商業銀行の売掛金担保融資・動産担保融資など、小企業の融資の特徴に合致する金融商品とサービスの提供を促す。住宅ローン政策の差別化を厳格に施行し、1件目の自宅用の分譲住宅購入のローン需要を満たす。リスクコントロール、商業の持続可能な経営の原則に基づく、銀行業金融機関の保障性住宅（政府が低所得世帯に提供する住宅）とバラック密集地の整備を奨励する。

多層型資本市場体系の発展を加速し、ベンチャー投資や私募ファンドなどの投資が草創期にある小企業を支援する。銀行間債券市場の発展を加速し、条件を満たす小企業の短期融資債券（CP）、中期手形（MTN）、中小企業集合手形などの、新型デットファイナンスツールの使用を支援する。信用貸付資産証券化の常規化発展を安定的に推進し、金融機関が捻出した資金を小企業に向けさせる。同時に民間融資の規範的な発展を促し、民間融資の小企業融資源の拡大に対する力を発揮させる。

金融機関が現代科学技術の手段を積極的に活用し、口座開設、決済、預貯金関連商品、外貨両替などの基礎的な金融サービスを改善することを奨励する。ネット銀行、モバイル銀行などの新型決済ツールと手段を採用し、多くの人々により手軽で効率と質の高い現代金融サービスを提供する。ネット金融の健全な発展を規範化・指導する。（提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤）