日露外務次官級協議、具体的進展は期待薄―モスクワ

Record China    2013年8月21日(水) 9時55分

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20日、ロシアと日本の外務次官級協議が今月19日にモスクワで開かれ、モルグロフ外務次官と杉山外務審議官が出席した。資料写真。

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2013年8月20日、ロシアと日本の外務次官級協議が今月19日にモスクワで開かれ、モルグロフ外務次官と杉山外務審議官が出席した。双方は平和条約の締結その他の関心事について話し合ったうえで、2国間関係の発展を促し、両国関係に存在する問題の解決を加速する意向を表明した。

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今年4月には安倍晋三首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。日本の首相の訪露は10年ぶり。会談後に発表した共同宣言で双方は、両国間にいまだに平和条約が締結されていない状態を異常と指摘し、双方共に受け入れ可能な解決策を作成するため、速やかに交渉を開始するよう双方の外務当局に指示した。

日露関係は領土問題に悩まされ続けてきた。現在ロシアが実行支配する北方四島(ロシア名:南クリル諸島)の領有権を双方共に主張している。1956年の「日ソ共同宣言」は平和条約締結後に歯舞、色丹の二島を日本に返還するとした。だが日本側はこれでは係争領土面積の6%に過ぎないとして四島同時返還を要求。このため今にいたるもなお平和条約が締結されていない。

ロシア科学アカデミーのキスタノフ日本研究センター長は「日露関係は最近好転し始め、上層部の訪問も再開された。これは1つには客観的必要から、もう1つには中韓両国との関係の緊張を受けて、安倍首相が外交圧力緩和の突破口を探しているためだ。領土問題に関しては、プーチン大統領は日ソ共同宣言の有効性を繰り返し確認しているが、日本は四島返還を目標としており、共通認識を形成しようがなく、問題解決が険しく長い道程になることは間違いない」と指摘した。

凌星光・福井県立大学名誉教授は「日本が現在ロシアとの関係を積極的に良くしようとしているのは、中国を牽制するためであり、ロシア側の対応が注目される」と指摘した。

袴田茂樹・新潟県立大学政策研究センター教授は「日本がロシアとの関係を重視するのは、1つにはエネルギーに乏しく、天然ガスなどのエネルギー分野でロシアとの協力強化を望んでいるため。もう1つには、中韓両国との関係が領土問題で緊張するなか、国際社会で孤立しないよう、ロシアとの関係強化を望んでいるためだ。今回の会談の最も重要な意義は、経済、安全保障、領土問題での共通認識の深化にある。日本は領土係争問題に対して非常に積極的だが、ロシア側は問題の解決を真に望んでいるわけでは決してなく、それ以上にこれを経済協力の実現を促すカードとすることを望んでいる。領土問題に関する交渉は容易でなく、短期間での解決は不可能だ」と指摘した。

日本メディアは今回の次官級協議で具体的成果を上げるのは困難との認識で一致している。今回の協議を「同床異夢」と形容。「参院選を受けて長期政権となる安倍首相は、プーチン大統領の任期中に領土問題で具体的な成果を得たい考えだ」としたうえで「両国は双方共に受け入れ可能な解決策を探るが、具体的進展は期待しがたい」と伝えた。

また日本メディアは、領土問題の早期解決にロシアが本腰を入れるよう、安倍政権は経済、環境、文化面でロシアとの交流や協力の拡大に全力を挙げると分析した。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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