エジプト反体制派の強制排除、中国では専門家と一般の反応に温度差―中国メディア

Record China    2013年8月16日(金) 21時20分

拡大

14日、エジプトの首都カイロでモルシ前大統領の支持派が警官隊に強制排除され、600人超の死者が出た。中国では一部専門家が「騒動の拡大を避けるために致し方ない判断」との見解を示している。写真は台湾のTV局・中華電視(CTS)の報道番組キャプチャー画面。

(1 / 2 枚)

2013年8月14日、エジプトの首都カイロで座り込みデモを行っていたイスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」が警官隊によって強制排除され、600人以上の死者と4000人近い負傷者が出た。組織はムハンマド・モルシ前大統領の出身母体であり、その支持派である。

その他の写真

治安当局が厳戒態勢を敷く翌15日も、カイロでは政府庁舎が次々と襲撃や放火に遭った。明けて、16日は金曜日。イスラム教徒はモスクで礼拝を行う日である。モルシ派は礼拝後の「怒りの金曜行進」を呼びかけており、内務省によって実弾使用を認められた治安部隊との間で流血の事態に発展する懸念が続いている。

反体制派の強制排除。西側各国では有無を言わさず批判の対象になるだろうが、中国としては、むやみにエジプト政権を批判する論調は避けられるであろう。一部専門家は「強制排除はさらなる騒動の拡大を避けるためにも致し方ない判断」との見解すら示している。

中国社会科学院西アジア・アフリカ所中東研究室の王京列(ワン・ジンリエ)研究員は、中国国営メディア・新華社の取材に対し、「エジプト臨時政権にとって、今回の措置はやむを得ないもの。このままでは情勢はさらに悪化し、無政府状態に突入しただろう」と発言。臨時政府は早く12日にも強制排除を行う可能性を勧告していたが、結局は2日間の猶予を与えているとした。さらに、イスラム化に傾くモルシ政権が存続していれば、これまでエジプトが推し進めてきた世俗化が途絶えていただとうとの見解を示し、「現在の臨時政権が世俗化を保証して政治と宗教の混同を回避すべきだ」として、モルシ派へのさらなる圧力を支持するニュアンスを匂わせている。同じく中国社会科学院西アジア・アフリカ所中東研究室の唐志超(タン・ジーチャオ)主任も、「臨時政権と反体制派の双方がもう後に引けない状況。モルシ派への弾圧はさらに厳しさを増すだろう」と分析している。

以上の発言を報じた新華社の報道に対し、記事のコメント欄にはすでに5000件近い反響が寄せられている。以下はその一部。

■軍の出動を批判する声

「エジプト情勢については、完全に違う結末に導くことができたはずだ。暴力は憎むべきもの。独裁は平和に縁遠く、恨みや憎しみを招き、モラルを喪失するだけだ」

「愛国とは、国民を、1人1人の国民を愛することだ」

「軍の銃口は、決して一般人に向けてはならないものだ。どんな国の軍隊も、国民が養っているのだから。軍隊で国民を押さえつける国はすべて、反人道国家だ」

■民主化の難しさを嘆く声

「これが彼らの臨んだ結末だろうか?中国はこうならないことを祈る」

「エジプト式の民主化は、倣(なら)ってはならないものだ」

「民主主義とはそもそも、もろ刃の剣。失敗すれば、国が滅びる」(翻訳・編集/愛玉)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携