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<尖閣問題>解決策、「棚上げ」しかない=日中国交正常化時に「暗黙の合意」あった―栗山元外務次官

Record China    2013年8月6日(火) 7時43分

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4日、栗山尚一元外務次官が東京新聞のインタビューで、尖閣問題の解決策について「国際的な紛争を解決する方法は三つ。外交交渉、司法的解決、解決しないことでの解決。最後の方法は棚上げと言えるだろうが、沈静化させるにはこの方法しかない」と言明した。資料写真。

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2013年8月4日、栗山尚一・元外務次官・駐米大使が東京新聞のインタビューで、尖閣解決について「国際的な紛争を解決する方法は三つ。外交交渉、司法的解決、解決しないことでの解決。最後の方法は棚上げとか先送りとか言えるだろうが、尖閣問題を沈静化させるにはこの方法しかない」と言明した。

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栗山氏は1972年の日中国交正常化の田中角栄首相・周恩来首相会談時に条約課長として係った生き証人。「両首脳の間で棚上げの暗黙の了解があった」と指摘した。

栗山氏の言う「棚上げの暗黙の了解」は田中首相・周首相会談での記録に明快に出ている。田中首相は尖閣問題で何も提起しないと帰国後に困難に遭遇するとして「今私がちょっと提起しておけば申し開きが出来る」と述べ、周首相が「もっともだ。現在アメリカもこれをあげつらおうとし、この問題を大きくしている」と差し障りのない対応をした。問題は最後の場面で田中首相が「よしこれ以上は話す必要がなくなった。またにしよう」と述べ、周恩来が「またにしよう。いくつかの問題は時の推移を待ってから話そう」と答えている。これに田中首相が「国交が正常化すればその他の問題は解決出来ると信ずる」と付け加えて終わった。

中国側の首脳から「棚上げ」が改めて出されたのは78年の福田赳夫首相・トウ小平副首相会談の後の日本記者クラブでの記者会見。トウ小平は会談結果を踏まえて「一時棚上げしても構わない。10年棚上げしても構いません。この時代の人間は知恵が足りません」として「賢い世代への先送り論」を展開した。

栗山氏はインタビューの中で、「日本にとって、大切なのは紛争がエスカレートして武力衝突に発展し、日中関係事態が壊れてしまわないことだ。水面下の交渉を通じて、粘り強くお互いの利害を調整しなければならない。歴史認識の問題も含めて、日中間に新しい協議の枠組みを作ることも必要」との考えを示した。

さらに、日本政府が尖閣をめぐる領土問題は存在しないとしている点についても「島の周辺に中国の船が現われているのに、『何も起きていない』と言うのは国際的にも理解されないし、紛争を認めても中国の主張の正当性を認めるものではない。大切なのは譲れる部分があるなら譲り、相手にも譲歩を求めていくことだ」と強調している。(取材・編集/SK)

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