安倍首相、対中関係打開に転じる=背景に米国の圧力―外務次官を北京に派遣

Record China    2013年7月30日(火) 7時35分

拡大

29日、斎木昭隆外務次官が中国を訪問、中国の張業遂外務次官らと会談し、尖閣諸島をめぐる日中対立の打開策を探る。その背景には安倍首相が米国から対中関係改善を強く求められているという事情がある。資料写真。

(1 / 2 枚)

2013年7月29日、斎木昭隆外務次官が中国を訪問、中国の張業遂外務次官らと会談し、尖閣諸島をめぐる日中対立の打開策を探る。昨年12月の安倍晋三政権発足以来初の次官級会談となるが、その背景には安倍首相が米国から対中関係改善を強く求められているという事情がある。安倍首相が信頼を置く斎木氏を通じて関係改善に向けた意欲を強調する考えだ。

その他の写真

 首相は29日、斎木外務次官の訪中について、「日本の対話の窓は常に開いている。前提条件をつけずに互いの外相、首脳同士が胸襟を開いて対話を進めていく。外務省事務方にもその方向で進めていくよう指示している」と述べ、日中首脳会談開催に強い意欲を示した。

 安倍首相が斎木氏を派遣し、中国との関係改善を志向する背景には米国の強い要求がある。米バイデン副大統領は7月26日、安倍首相の外遊先のシンガポールで会談を求め、早期の対中対話を迫った。この会談後、米ホワイトハウスは「バイデン氏が中国との関係改善を安倍首相に要請した」と公表までしている。

米オバマ政権は「アジア太平洋における領土問題」が米中衝突の火だねになりかねないことを懸念。何としても衝突を回避したいという切実な動機がある。さらに北朝鮮、シリア政局、イラン危機、米中経済、サイバー対策などで、米国は中国に協力を要請している。これら事情が相まって異例の米中首脳会談が実現し、「米中協調」を確認した。

米軍のトップであるデンプシー統合参謀本部議長が、中国人民解放軍の房峰輝総参謀長の招きに応じて4月中旬に訪中し、習近平主席とも会談。米中安全保障問題が協議され、「日米中が如何に戦争を回避するか」について、双方の見解が一致したという。

 安倍首相が対中改善を求める背景には経済界の懸念もある。安倍政権は、デフレ脱却など経済再建に重点を置く考えで、日本企業の対中ビジネスが両国の関係悪化を背景に低迷している点を懸念している。

 9月にロシアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議やニューヨークで開かれる国連総会など、秋以降続く一連の国際会議の場での首脳会談開催を探る考えだ。(取材・編集/SK)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携