Record China 2019年9月20日(金) 20時20分
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19日、中国メディア・中国日報網は、2019年度ソブリン・アジア芸術賞の最年少ファイナリストで、中国・中央美術学院の博士課程で油絵を学ぶ唯一の日本人留学生である江上越さんを紹介する記事を掲載した。写真は江上さん。
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中国メディア・中国日報網は19日、2019年度ソブリン・アジア芸術賞の最年少ファイナリストで、中国・中央美術学院の博士課程で油絵を学ぶ唯一の日本人留学生である江上越(えがみえつ)さんを紹介する記事を掲載した。
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江上さんは、2008年に北京五輪が開催された際に日本のメディアを通して中国の芸術や文化に触れ、それをきっかけに中国の油絵に興味を持った。幼少期を欧州で過ごした江上さんだが、欧州の美術館では自分のアイデンティティーに通じるものを見つけ出せなかったという。しかし、中国の油絵を見たときには日本の油絵と一種の共通点があることに気づき、そこから芸術的なインスピレーションを受けたという。
江上さんは中国に留学して7年になる。中国に行って間もない頃、「あなたの名前の日本語の発音は、中国人には『一袋の米』という中国語に聞こえる」とクラスメートに言われたことが、その後の創作のヒントとなったそう。「交流と聞き間違い」をテーマにすることを決め、「聞き間違いゲーム」という数百人規模の活動を主催するなどして自らの創作スタイルを確立していった。
江上さんによると、日本語の「やだ」という言葉は四川の人にとっては、四川方言で「良い」という意味の「要得」という単語に聞こえ、スウェーデン人にも同様に肯定を表す意味に受け取られる。そうしたことから、「おもしろくて奇妙な聞き間違いは、個人の間では笑い事で済まされる。しかし、国と国との間ならどうなるだろうか」と考え始めたという。「日本と中国は隣り合っていて、どちらの国も漢字を使うが、小さな違いは数多く存在している。そういった違いとはどのようなもので、どのように向き合い、どのようにしてより良い交流につなげていくか」ということを、自らの作品を通して伝えたいという。
江上さんはまた、「最近では日本人の中国に対する関心もますます高まってきている」と語る。日本に帰国するたびに、多くの学芸員から「中国はどんな様子なのか、中国の美術館はどのようなものなのか」と尋ねられるそうだ。江上さんは「日本には中国の芸術や最新の文化を紹介するメディアが少なく、多くの日本人の中国芸術に対するイメージは清代以前のものにとどまっている」と感じ、その理解の空白を埋めるべく、中国芸術界の第一人者にインタビューした内容などを日本の美術雑誌に投稿したりしているという。
さらに、江上さんは「中国は経済状況だけでなく、芸術文化の方面もますます良くなってきている」「美術館の展示を見ることが中国人にとって新たな流行になっている」などとも語った。「理解できないことを恐れず、芸術作品にたくさん触れること、そして芸術史を学ぶことが非常に重要」とアドバイスしたほか、自身にインスピレーションを与え、芸術人生を豊かにしてくれた中国での経験に感謝の気持ちを述べた。(翻訳・編集/岩谷)
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