中国の自動車販売数世界一は「偽りの繁栄」、日本メーカーは新車投入で挽回図る―中国メディア

Record China    2013年7月9日(火) 22時10分

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9日、最新の統計データによると、中国自動車市場の今年上半期の生産台数は前年同期比16.7%増の817万8400台、販売台数は14%増の865万7200台となり、再び世界記録を塗り替え、米国を抜き世界一となった。写真は江蘇省南京市で販売される乗用車。

2013年7月9日、全国乗用車市場情報連席会が5日に発表した最新の統計データによると、中国自動車市場の今年上半期の生産台数は前年同期比16.7%増の817万8400台、販売台数は14%増の865万7200台となり、再び世界記録を塗り替え、米国を抜き世界一となった。羊城晩報が伝えた。

しかしながら一線都市(日本の政令指定都市のようなもの。一般的には、北京市、上海市、広州市、天津市、深セン市を指す)で働くディーラーは取材に対して、上述したデータは「偽りの繁栄」に過ぎず、一部自動車ブランドは6月に深刻な余剰在庫問題に陥ったと述べた。

◆3大日本メーカー、中国事業がマイナス成長

中国自動車市場の全体的な販売急増の一方で、日本車の販売は伸び悩んでいる。海外メディアの報道によると、トヨタ日産ホンダの日本3大自動車メーカーは、2013年上半期の中国新車販売台数が前年同期比でやや減少した。しかし現在は販売がやや回復しており、各社は新車投入などによる挽回を目指している。

データによると、トヨタの上半期の新車販売台数は前年同期比5.8%減の41万6900台となり、日産は8.3%減の59万1600台、ホンダは3.2%減の31万6600台となった。6月だけを見ていくと、トヨタは前年同月比9.0%増の7万6900台で、2カ月連続の増加となった。また、6月の増加率は5月の0.3%から上昇し、回復の強い流れを見せている。

しかし日産の6月の販売台数は前年同月比7.7%減の10万1400台となった。ホンダは5月のプラス成長からマイナスに転じた。これは2012年度に好調な販売を記録していたことや、主力車種のフルモデルチェンジを控えているためとされている。

◆自動車市場の販売増、偽りの繁栄か

今年上半期の中国自動車市場の生産・販売台数は16.7%増・14%増というデータを示したが、一部の一線都市に勤務するディーラーは取材に対して、「これは偽りの繁栄だ」と述べた。

広州の各自動車市場を取材したところ、黄石路の中国ブランド専売店では、停車スペースが商品の車によって占められていた。このディーラーは「以前は店側で必要な車があれば、メーカーがその車を送ってきた。現在は店側の同意なしで車が送られており、在庫が膨らんでいる。現在の自動車市場の販売状況を見る限り、現在の在庫だけでも3カ月分の販売を補える。多くのメーカーが対外的に発表している販売データは、実際に顧客に販売される量を示すものではない」と指摘した。

余剰在庫が生じているのは中国ブランドだけではない。一部の日本・韓国・欧米ブランドのディーラーは取材に応じた際に、「メーカーは現在、ディーラーに在庫を押し付けており、特に6月はそれが深刻だった」と明らかにした。ある欧州車のディーラーは、「当店の在庫は100台を超えている」と語った。

余剰在庫により、ディーラーは息もつけないほどだ。あるディーラーは記者に対して、「現在の在庫車の価格を合計すると、約2000万元(約3億2000万円)分に達している」と述べた。

全国乗用車市場情報連席会の専門家も、「6月は中国国内の銀行の流動性逼迫が生じ、月末に在庫がかさみ、ディーラーは資金面でつらい状況となった。これは中国国内の自動車業界の経営水準・経営道徳が低いことを示している」と指摘した。

◆専門家の分析

全国乗用車市場情報連席会の発表したデータについて、自動車マーケティング専門家の張勇強(ジャン・ヨンチアン)氏は、「一部の一線都市では販売制限策が講じられているが、中国国内の全体的な販売急増に影響していない。これは二・三・四線都市が、自動車市場の新たな成長源になっているからだ」と分析した。

ある日本自動車メーカーの関係者も「一線都市の販売台数が近年減少し始めているが、二・三線都市の増加率は30%以上に達しており、一部都市はこれをさらに上回っている」と述べた。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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