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安倍政権の圧力受け、円は小幅の変動続ける―中国有識者

Record China    2013年7月2日(火) 7時40分

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1日、日本の安倍政権にとって最も理想的な政策の未来図は日本経済が良好な循環に入ることだ。そのため、安倍政権の政策では円安が核心ということになる。資料写真。

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2013年7月1日、日本の安倍政権にとって最も理想的な政策の未来図は次のようなものだ。大幅な円安が支えとなって輸出が力強く増加する。円安がもたらした輸入製品価格の大幅上昇により、国民はインフレ観測を恐れて消費支出を拡大する。国民の消費の伸びに押されて企業は投資を拡大する。輸出、消費、投資という3つの好材料に促されて、日本株式市場も上昇する。資産価格の上昇がもたらした資産効果が改めて消費と投資を刺激する。こうして日本経済が良好な循環に入る。そのため、安倍政権の政策では円安が核心ということになる。中国証券報が伝えた。(文:韓会師(ハン・フイシー)・中国建設銀行市場部研究員)

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安倍首相の前任者たちはいずれも円高に圧力を加えようとしたが、成功した人は一人もいない。安倍首相は前任者たちの失敗の原因を次の2点にあると考えた。一つは、行動という点で関与の度合いが十分でなく、市場の理解を得られなかったこと。もう一つは、世論の誘導という点で低調に終わり、個人投資家に円高をなんとかしようという気持ちにさせられなかったことだ。そこで安倍首相は就任の前後に絶え間なくコメントを発表して、円高に圧力をかけることを約束し、円高を日本経済低迷の主犯に仕立て上げることに成功した。そして円高に圧力をかけることを願う世論を徐々に形成していった。また一方では財政を刺激する政策を一挙に打ち出すと同時に、米連邦準備制度理事会(FRB)が鳴り物入りで打ち出した無制限の量的緩和政策の真似をし、また2%のインフレ目標を無制限緩和の狙いとした。

これらの措置により、信頼できる市場の了解が生まれた。日本政府は2%のインフレ目標を達成するまで、円相場に対する圧力をかけ続けるということだ。ちょうど安倍首相が登板した当時、日本の国際収支はそれまでの黒字から赤字に逆転。これは強い円の最も重要な柱に亀裂が入ったことを意味している。世界の金融学を専攻したすべての学生が学んだであろう金融の基本原則は、経常収支が黒字の国の通貨は一般的に価格が上昇し、赤字の国の通貨は一般的に価格が低下する、というものだ。こうして国際投資資本は円の空売りへの意欲を極めて大きくかき立てられ、日本銀行(中央銀行)が量的緩和を全面的に展開する前に円相場は大きな圧力を受け、大幅な円安となった。

だが円安が始まると、どれくらいの円安が適当であるかがすぐに安倍政権の課題になった。円安は日本経済にプラスだが、日本政府は無制限に円安を推進できるわけではないが、日本政府の強硬な態度を受けて、市場には円安は継続するという観測がたちまち広がり、この観測がコントロール不可能になれば、資本が持続的に日本から流出することは避けられない。日本国内の金利は低く、欧州、米国、多くの発展途上国の金利は日本に比べれば高いため、当期の利差益と将来の円安による外国為替差益の二重の誘惑に駆られて、円資本が大規模に流出し、ひいては日本国内の資金調達コストに大きな上昇圧力をかけることになる。最大の危険は日本政府自体の財政の持続可能性がゆらぐことだ。

2013年3月末現在、日本の国債残高は約814兆3000億万円だった。これはつまり、国債の収益率が0.01%上昇すると、日本の財政予算における利息の支払いは約814億円増えるということだ。経済喚起策が推進されるのに伴い、日本国債の規模も拡大することは確実で、国債収益率の上昇がもたらす財政圧力も急速に増大するとみられる。こうした動きは、国債の発行による収入がすでに税収を上回り、国債の償還資金と利息が財政予算に占める割合が20%を超える日本政府にとっては受け入れがたいものだ。こうした動きによるリスクを避けるため、日本銀行は長期国債の購入量を増やして収益率の上昇を抑えようとしたが、結果は不満足なものに終わった。最近、日本の10年もの国債の収益率は0.8%の前半が基本で、4月5日に記録した今年の最低値0.32%とは大きな開きがある。

国債の収益率を効果的に抑えることができなければ、日本の財政のもろさがますます露呈し、市場は日本が経済喚起政策を長く継続できるかどうかに疑問を抱くようになる。だが円安プロセスを中断すれば日本の資本の流出を抑制でき、日本国債の収益率の上昇を抑制することにもつながる。

そこでいえることは、日本政府にとって円高は喜ばしいことではないが、円安観測をそのままにしておくことは円安以上に容認できないものである、ということだ。円が2007年から続いた円高傾向から脱却できたことは第一歩で、第二歩は円が相対的に低い価格帯で双方向の動きを形成し、ひいては円が大きく上下動する無秩序な状態に陥るのを回避し、市場に長期的な円安への強い期待を抱かせないことだ。これは日本政府と日本銀行が円高プロセスの中で沈黙を守ってきた主な原因でもある。

円は昨年第4四半期(10-12月)に始まった円安傾向をすでに終えた。小幅の変動は今後も続くとみられ、1ドル90-105円あたりが日本政府の希望する中期的な変動幅だと考えられる。(提供/人民網日本語版・翻訳/ KS・編集/武藤)

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