Record China 2019年8月17日(土) 18時20分
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米国は、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する9月1日発動予定の「第4弾」のうち、一部の製品への適用を延期した。延期対象はPCや携帯など。中国に米農産物の大量輸入などを迫るトランプ流駆け引きとみられる。
米トランプ政権は13日、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」を9月1日に発動すると正式発表した。一方で一部の製品への適用を12月15日まで延期した。延期の対象はパソコン(PC)や携帯電話など。中国に米農産物の大量輸入などを迫るトランプ流駆け引きとみられる。
「第4弾」は現在対象外となっている3000億ドル(約32兆円)相当に10%を上乗せする。米通商代表部(USTR)は制裁関税の適用を延期する製品として、PCや携帯のほか、靴類や衣類、特定のおもちゃ、ビデオゲーム機、PCモニターなどを挙げた。さらに安全保障や保健医療に関わる製品も課税対象から外すという。
トランプ大統領は記者団に対し、クリスマス商戦で「一部関税の影響が米消費者に及ばないよう延期を決めた」と説明。小売業界リーダー協会は「延期は朗報で、年末商戦に向けて消費者の痛みを軽減するだろう」と歓迎した。
ロイター通信によると、貿易団体の関係者が匿名を条件に「USTRからは米輸入の75%以上を中国が占める製品については関税発動を延期し、75%を下回る製品群は9月1日から追加関税を課す」との説明を受けたことを明らかにした。米政府統計では2018年に輸入した携帯電話の82%を中国が占め、ノートパソコンの占有率は94.5%だった。
ロイター通信の試算によると、延期分は9月1日に追加関税が課される予定だった3000億ドル分の中国製品の約半分を占める可能性がある。米政府のデータによると、12月15日に関税が適用される製品群の昨年の輸入額は約1560億ドルに上った。
発動延期の発表を受け米株式市場は大幅高で終了。アップルは主力スマートフォンのiPhoneやタブレット型端末、ノートパソコンに対する関税発動が延期される見通しとなったことから、株価が4.2%高で終了した。
USTRの延期発表に先立ち、中国商務部は劉鶴副首相がライトハイザーUSTR代表とムニューシン米財務長官と電話会談を行ったと発表。双方は2週間以内に再度電話協議を実施することで合意した。
今回の延期措置や協議に向けた動きから、ロイター通信は「トランプ大統領が譲歩に意欲的になっている可能性もうかがえる」と報道。これを裏付けるように、トランプ大統領はツイッターへの投稿で「いつも通り、中国は偉大な米農家から『大規模な』購入を行うと言っておきながら、実行に移していない。しかし、今回は違うかもしれない」と述べ、中国による米農産物の大量輸入に期待感を示した。(編集/日向)
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