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日本の「軍事大国化」は歴史の後退―日本人教授

Record China    2013年6月19日(水) 20時30分

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18日、日本の自民党は昨年末の衆議院選で多数議席を獲得し、民主党から政権を奪回した。これは民主党政治の誤りに対する有権者の懲罰であると同時に、小選挙区制度の欠陥の賜でもある。(文:五十嵐仁・法政大学教授、人民日報掲載)資料写真。

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2013年6月18日、日本の自民党は昨年末の衆議院選で多数議席を獲得し、民主党から政権を奪回した。これは民主党政治の誤りに対する有権者の懲罰であると同時に、小選挙区制度の欠陥の賜でもある。(文:五十嵐仁・法政大学教授、人民日報掲載)

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首相に返り咲いた安倍晋三氏は「危機突破内閣」を組織し、一連の経済政策を迅速に打ち出したが、国家の長期目標については明らかにしていない。「美しい国」「戦後レジームからの脱却」を明確に打ち出した首相初当選時とは大違いだ。安倍政権は民衆にすぐに悟られないよう、長期目標を巧妙に隠している。だが政策が徐々に打ち出されるに従い、安倍氏の真の目的が明らかになってきた。政治面では軍事大国化の推進と日米軍事同盟の強化だ。これは外交、安保政策の後退といわざるを得ない。

外交面では安倍氏は「戦略外交」「価値観外交」「国益を主張する外交」「日米同盟を基軸とする外交」を打ち出している。その具体的措置として、11年ぶりの防衛費増額、防衛大綱の改定、自衛隊の対処能力の強化、国家安全保障会議の設置などが挙げられる。

人事面では、安倍内閣の顔ぶれは「タカ派」の色彩が濃厚だ。閣僚19人のうち多くが「日米防衛協力指針」を見直し、日米の軍事協力を強化し、自衛隊を国防軍にすることを主張している。アルジェリア日本人人質事件の機を利用して、日本人輸送のための自衛隊の海外派遣を解禁し、「自衛隊法」の目的を見直そうとしている。

世論面では、自民党は憲法改正に必要な要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から過半数の賛成へと緩和する憲法第96条の改正を支持するよう国民を誘導している。これは「戦争発動の権利を放棄」した憲法第9条の改正が最終的狙いだ。

教育面では、自民党の「教育再生実行本部特別部会」は教科書検定基準としてアジア各国への配慮を定めた「近隣諸国条項」の見直しを決定した。

安倍氏の軍事大国化政策は時代の潮流と世界の情勢に合致せず、日本社会の問題を解決できないのみならず、逆に複雑化させ、日本の国際的地位を低下させ、経済成長に影響を与える。

中国の巨大市場に対して、日本は貿易で米国と欧州を上回るべきだ。だが日中、日韓関係は領土紛争のために緊張している。安倍氏は就任後、問題を解決できないだけでなく、周辺関係の緊張を高めている。安倍氏による軍事大国化の推進が、技術と資源の浪費をもたらすのは必至だ。

質の高い労働力は日本経済成長の重要な要素だが、これは戦後民主主義教育の結果だ。自民党政権は教育に政治介入し、軍国主義を象徴する教育を強制的に推し進めようとしており、教職員組合のこれまでの共通認識を破壊し、教育思想をねじ曲げた。安倍氏の最大の問題は日本が発動した戦争に対して反省を欠いている点だ。これは安倍氏の歴史認識発言や自民党の憲法改正案から見て取れる。

戦後民主主義教育の目標は平和と民主主義を愛する人格の育成だ。安倍氏が制定を望む新憲法は日本民主主義の形成を損ない、周辺国との関係を破壊し、日本を国際社会で孤立させる。また、グローバル化に必要な創造力と独立性を備えた「地球市民」の育成にとってマイナスだ。

日本軍国主義の否定が戦後日本の民主主義社会の誕生を促した。だがこの成果は日本およびその他の国々の数千万人の犠牲と引き換えに得られたものだ。日本の指導者は誤った政策のもたらす結末をしっかりと予見すべきだ。安倍氏が誤りに早く気づけば、それだけ日本の払う代償は小さくなる。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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