北朝鮮の沿岸砲射撃めぐる韓国国防部の対応が物議

Record China    2019年11月28日(木) 5時40分

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26日、韓国・毎日経済は、23日に北朝鮮が北方限界線付近で沿岸砲の射撃を行ったことと関連して、「国防部の対応や韓国軍の体制に問題がある」と指摘した。写真は南北境界・板門店付近。

2019年11月26日、韓国・毎日経済は、23日に北朝鮮が北方限界線(NLL)付近で沿岸砲の射撃を行ったことと関連して、「国防部の対応や韓国軍の体制に問題がある」と指摘した。

記事によると、韓国軍の関係者は「沿岸砲の発射兆候を事前に把握し、発射に備えていた」とし、「(23日に)未詳の音を感知するなど複数の手段から数発が発射されたことを確認した」と話した。しかし、国防部は26日まで沿岸砲射撃の事実を公開しなかった。これについて国防部は「事実を隠そうとしたのではなく、沿岸砲はレーダーで識別できないため他の情報を基に発射方向や経口などを分析するのに時間がかかった」と説明したという。

しかし、記事は「北朝鮮の顔色をうかがったり影響を小さくしたりする意図があったのではないか」と指摘している。その理由として、「23日は北朝鮮が韓国領に攻撃をしかけ、韓国軍が応戦した延坪島砲撃事件から9年になる日だった」ことと、「2日後に韓国とASEAN(東南アジア諸国連合)による特別首脳会議が迫っていた」ことを挙げている。

また、記事は「韓国軍と情報当局が通常の情報分析の手順に従ったとしても、北朝鮮の沿岸砲に対する情報分析体制に不安が残る」としている。北朝鮮が今回発射したとされる沿岸砲は射程距離が短く数秒で韓国に到達するため、レーダーでの識別には限界がある。そのため、偵察衛星や偵察機など先端監視装置を活用して沿岸砲が発射される瞬間を捉える必要があるが、韓国軍にはそうした装置がない。記事は「韓国軍は発射音の分析や米国からの情報提供が必要なため迅速な対応には限界がある」と指摘している。

ただし、今年中に無人偵察機「グローバルホーク」が導入されれば、北朝鮮の沿岸砲や自走ロケット砲などをリアルタイムで監視できるようになるという。

韓国のネットユーザーからは「国防費は一体何に使われているの?ちゃんとした装置が一つもないなんて」「国民を守るためにしっかりやって。国民の税金から国防部の人に給料が払われているなんて腹が立つ」「大韓民国を守るのは誰?国防部をなくして防衛費を引き上げて米軍に防衛を頼むのが効率的なのでは?このままでは国防部の存在意義がない」「国防部はいつも北朝鮮に9・19南北軍事合意の厳守を主張するだけ。このような人たちに国家の安保と国民の安全を任せてはいられない」など国防部を批判する声が相次いでいる。

また、「これだから日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が必要なんだ」「北朝鮮がミサイルや砲弾を発射したらその情報を自動で公開するシステムをつくるべき」「大統領の安保に対する意識が弱いから、それに従って軍の意識も少しずつ弱くなっているのでは?」と指摘するコメントも寄せられている。

その他に「国防部じゃなくて分析部に変えるべき」「分析をしている間に戦争が終わるのでは?」などと皮肉るユーザーも見られた。(翻訳・編集/長居)

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