Record China 2013年6月6日(木) 7時52分
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米外交筋によると、6月7、8日両日に米カリフォルニア州のパームスプリング郊外で開催される米中首脳会談で、尖閣諸島を巡る日中間の争いを含むアジア太平洋地域の海洋安全保障問題が協議される。米オバマ政権、日中両国に「尖閣聖域化」を働きかける方針だ。資料写真。
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米外交筋によると、6月7、8日両日に米カリフォルニア州のパームスプリング郊外で開催される米中首脳会談で、尖閣諸島を巡る日中間の争いを含むアジア太平洋地域の海洋安全保障問題が協議される。米オバマ政権、日中両国に「尖閣聖域化」を働きかける方針だ。
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今回の米中首脳会談で、習近平国家主席は「新たな2国間の次元を開く」ため対米宥和を志向。オバマ大統領も「前例のない突っ込んだ対話により多くの課題を進展させたい」と米中関係の深化を望んでいる。同会談では、北朝鮮、シリア、サイバーテロ、中国人権問題、太平洋における米中両軍の協力、米中経済関係強化などのほか、「太平洋地域の領有権争いと海洋安全保障の問題」が主要テーマとなり、尖閣諸島についても戦略的調整が行われる。
尖閣諸島をめぐって、米国は「日米安保条約第5条の履行」を明言するものの「領土権の主張の争いには関与しない」と強調。米国は尖閣諸島をめぐる日中間の紛争に「巻き込まれる」ことを恐れている。
こうした中、野中広務元官房長官が6月3日、訪問先の北京で尖閣諸島について日中間に「領有権の棚上げ」合意があったと発言。2日には中国人民解放軍の現役幹部が「棚上げ論」に言及するなど、中国側は「棚上げ」提案で対話姿勢を示している。日本側は「領土問題は存在しない」との従来の主張を崩していない。
米国は尖閣諸島をめぐる日中間の対立がこれ以上エスカレートすることは地域の安全を阻害し米経済利益への脅威につながると憂慮、両国に「自制」と「尖閣聖域化」を強く求めている。
今年2月の安倍晋三首相とオバマ米大統領との日米首脳会談でも、尖閣諸島問題について「現状を維持する」ことが確認された。日中対立の深刻化を望まない米国の意向を受けたもので、この会談で安倍首相は「日本は常に冷静に対処する考えで、自制する」と確約した。
米外交筋は「現状維持は、1972年の日中国交正常化交渉時に田中首相と周恩来首相が了解し合い、1978年の日中平和友好条約締結時に園田外相とトウ小平副首相が合意した尖閣棚上げを今後も継続することで事態を沈静化させることだ。中国に領海侵犯などの行為を止めさせる一方、日本も尖閣諸島への公務員常駐や舟だまり設置など、昨年12月の総選挙での自民党の公約の履行も断念させる。無人島の尖閣諸島を再び聖域化すれば問題が解決する」と米オバマ政権の意向を明かした。日中政府が激しく対立する中、米中が新たな協力関係を構築すれば、日本は厳しい対応を迫られそうだ。(取材・編集/SK)
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