Record China 2019年7月2日(火) 22時20分
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中国メディアの新浪網は、中国がロシア製のSu-35戦闘機を追加購入する可能性があるとする論説を掲載した。写真は2月15日に日本近くにまで飛来したロシア軍のSu-35。緊急発進して対応した自衛隊戦闘機が撮影。
中国メディアの新浪網は6月20日付で、中国がロシア製のSu-35戦闘機を追加購入する可能性があるとする論説を掲載した。性能面では評価できないが、中国にとって自国の旧式戦闘機を退役させることが急務であるため、自国の新型機製造能力では追いつかない分を、少数だけ輸入するとした。
論説は、中国空軍が2018年に行った模擬戦で、国産のJ-10C(殲10C)が、輸入機であるSu-35を圧倒したと紹介。特に、レーダーの性能に格段の差があるという。近距離での戦闘でも、PL-10(霹靂10)空対空ミサイルを搭載したJ-10CはSu-35に遜色はさほどなかったという。
中国は特にSu-35の電子装置に満足しておらず、18年5月には購入したSu-35をロシアに戻して、中国製の空対空遠距離ミサイルや情報化ヘルメットの使用を可能にし、さらに火力管制用電子機器を換装したところ、「中国バージョンSu-35」は、「オリジナルSu-35」よりもはるかに優秀になったという。
論説は、中国では新型戦闘機が次々に登場している一方で、空軍が現在も大量の第2世代ジェット戦闘機を保有している問題があると指摘。第2世代戦闘機の具体的な機種名は紹介しなかったが、合計400機ほどを保有するJ-7やJ-8を指すと思われる。J-7はソ連のMiG-21を参考に作られた戦闘機で、運用開始は1967年、J-8はJ-7の拡大発展型で運用開始は80年だ。
両機種の土台となったMiG-21は初飛行が55年で運用開始は59年。その後も改良が続けられて、最終的には1万機以上が製造された。戦後の戦闘機の中では「傑作機」の一つとされているが、改良を重ねたとしても現在になっては旧式機だ。中国が60年代後半になりJ-7を登場させたのは、ソ連との関係が60年ごろに悪化したため支援を受けられなくなり、戦闘機開発が当時の中国の技術力では「手に余る」難事になったからという。
中国空軍はJ-7を第一線から退け、J-8も退けつつあるとしている。新浪網の論説は、それでも第2世代戦闘機の退役を急いだ場合、国内での新型戦闘機の生産能力の限界を超えて、戦闘機の配備に「大きな穴」が開くと指摘。国内生産では不足する少数を購入して、空軍戦闘力の「穴」を補填する可能性があると論じた。
論説によると、Su-35の航続距離と飛行性能については、中国でも高く評価されいるという。Su-35の航続距離については、2017年にロシアのパイロットがSu-35を操縦して自国の飛行場を出発し、空中給油なしで約4000キロ離れた中国南部の基地まで飛行したことがあったという。また、中国軍のパイロットは、Su-35では推力偏向(スラスト・ベクタリング)と操縦システムが完璧に結合しているとして、称賛を惜しまないという。
論説はさらに、中国はSu-27シリーズの戦闘機を長い期間に渡り使用してきたので、スホーイ製戦闘機の扱いに慣れていることも、有利な点とした。中国が登場させた、J-11シリーズやJ-15、J-16などはいずれも、Su-27をベースに中国で開発された機体だ。
なお、中国がJ-11などを開発した際には、ロシア側が「無許可で変更して新しい機体を完成させた」と抗議したこともあったが、結局は「うやむや」になった。ロシアとしては自国の軍需産業のレベルを維持するために、大量の資金を必要としている。中国は航空機エンジンを含め、ロシアから大量の兵器を輸入している「上得意」であるため、ロシア側が追及を断念したとの見方がある。
記事はSu-35について改めて、ロシアがさまざまな経験に基づいて完成させた「Su-27の最終バージョン」と評価。中国はSu-35を購入した場合、「自国版Su-27シリーズ」を改良するための「もっともよい模範になる」と主張した。(翻訳・編集/如月隼人)
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