過積載で罰金の運転手、安全面を重視し運転禁止―河南省鄭州市

2007年4月9日午後、河南省鄭州市の黄河大橋道路料金所で、警察官の呂凱（ルー・カイ）は1台のトラクターを過積載の疑いで停車させた。

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積み荷はトラクターからはみださんばかりの、一目でわかる過積載だった。トラクターの運転手は停車命令を素直に聞き入れたが、停車する際ずっとハンドルの上に寝そべっていた。体調が悪いのかと心配した呂だったが、トラクターを降りた運転手を見て驚いた。

運転手の鄭（ジェン）さんには両腕がないにも拘わらず、器用に運転していたからだ。幼い頃に高圧電線に触れて失ったのだという。現場で実演してくれたが、足の指でキーを回し、膝でウインカーを使い、肩でハンドルを操る。鄭さんによれば、「運転歴はもう10年以上。トラクターだけではなく、バイクも運転できる。今まで何の危険もなかった」と述べた。

警察は「鄭さんの運転方法では危険時の回避動作が遅れ、本人にも周りにも危険だ。残念ながら運転を許可できない」とのこと。トラクターは警察が押収し、鄭さんはさらに過積載の罰金を払った。（翻訳/編集・高口康太）