漢詩吟を発展させた日本、中国はその文化教育を学ぶべき―中国メディア

Record China    2013年4月28日(日) 23時50分

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24日、日本の漢詩を概観すると、文学の一種の類型に属すると同時に、中国の古典をもとに中国思想や詩文を研究する学問「漢学」の普及や教育としての特色を備えている。写真は河北省で行われた漢詩の朗読イベント。

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2013年4月24日、中国文化が海外に伝わる形として、間接的なものと直接的なものの2種類の形式がある。前者は中国語文化の受け入れ国が中国語を自国の言葉に翻訳する形。後者はオリジナル文化が直接受け入れ国に形を変えないまま移植される、もしくは中国語文化の形態上に、受け入れ国の民族独自の文化として形成される形。日本の漢詩は後者にあたり、直接的に文化が伝わって生まれたものだ。光明日報が伝えた。

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日本の漢詩を概観すると、西洋近代文学の概念から単純に定義することは難しく、文学の一種の類型に属すると同時に、中国の古典をもとに中国思想や詩文を研究する学問「漢学」の普及や教育としての特色を備えており、日本の伝統的な漢学教育の産物といえる。日本の漢詩は漢字文化圏における文化遺産であり、奥深い漢字文化圏の文化の蓄積と文化交流という幅広く深遠な背景なしでは、海を渡った文化交流の遺産である日本の漢詩を理解することは難しい。

日本は漢詩を作る伝統があるだけでなく、漢詩や和歌などを独特の節回しで吟ずる「詩吟」の伝統もある。江戸時代の儒学者・漢詩人の菅茶山は随筆「筆のすさび」(1836)の中で「古代の人々は4声を使い分けて詩を吟じた」、「今の高野山の学寮(空海が創立した真言宗の学校)は4声を使って詩を吟じ、秘密教義の中には、漢文の訓点を使った読み方をしている者もいる。ここだけにしか見られない古代の風習が今も保存されている」と記している。

この古代からの風習を基礎として、1968年に文部科学大臣が認可する財団法人日本詩剣吟舞振興会(日本の伝統芸道である吟詠・剣舞・詩舞の振興を目的とする公益法人)が設立された。当時の会員数は300万人にも達した。そこで使用されている教材「吟剣詩舞漢詩集」に収録されているのは、漢の高祖の「大風歌」や清の袁枚の「赤壁」などの漢詩で、専門的な詩吟の楽譜があてられている。

選出されている詩人に順位付けを行うと、1位は李白(26首)、2位は杜甫(8首)、3位は王陽明(7首)。4位は杜牧と白居易(ともに6首)。5位は王維(5首)。6位は陶淵明、王昌齢、蘇軾(4首)、7位は沈●期(●=にんべんに全)、岑参、朱熹、真山民、高啓(3首)。8位は賀知章、劉禹錫、欧陽修、司馬光(2首)。

選出されている詩歌はすべて中国人には馴染み深い名詩ばかりで、思想や内容ともに非常に特色がある。例えば、感情を奮い立たせ、人々に国を愛する情熱を駆り立てるような文天祥の「過零丁洋」(零丁洋を過ぐ)や、人々に労働で得られる成果を大切にするよう促し、節約や良い習慣を勧める李紳の「憫農」、母の子に対する慈愛の深さと、それに感謝する心というアジアの美徳を訴える孟郊の「遊子吟」などだ。特に陶淵明の「勧学」(実は、この名前は「雑詩」の1首目の最後の4句から名付けられた)や司馬光の「勧学歌」、朱熹の「偶成」や「勧学」などは、青少年の学生たちに固い決意で学習し、自らを奮い立たせて有能な人材になるよう勧めるもので、いわば青少年の学生たちが自ら積極的に学び取り、先人の後を引き継いで将来への道を開くための座右の銘ともいえる。日本の漢詩人はこういった「教育的な詩」に影響を受け、「勉学の詩」を創作し、広く日本人に受け入れられた。日本の中学や高校の教科書には、こういった勉学の意欲を駆り立てるような菅茶山の「冬夜読書」や広瀬淡窓の「桂林庄雑詠示諸生」が掲載されている。つまり漢詩は中国の文化人の影響を受けた日本の思想文化を重視して選出されたもので、例えば王陽明の「心学」(陽明学)は日本の政府や民間で高い地位を築いており、3番目に多くの詩が選ばれている。

上に述べたように、日本の漢詩吟は中国に対する啓示である。漢詩吟は隣国の日本で継承されていった、中華文明の無形文化遺産であり、今もなお発展し続けている。文化強国を築く上で、中国文化を現代の世界に伝える歩みを加速するために、中国は漢詩吟が広く伝えられ、発展していった日本での成功例を参考にするべきだ。まずは中国国内の中・小学校教育の中で、統一した文化教育を特別に取り入れ、その後徐々に社会や海外の中国語文化教育の中に推し広げていく。関連部門はこれらを重視し、なるべく早く適切な組織制度を設立し、漢詩吟などの中国伝統の語学教育法を現代の語学教育の中に継承して活用するように進め、漢語文化圏の伝統文化がより一層幅広く発展していくことを希望する。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/内山)

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