韓国、ファーウェイ排除で米中の板挟みに=「THAAD問題の再現?」と懸念するメディア

Record China    2019年5月25日(土) 16時20分

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中国の通信機器最大手・ファーウェイ排除を進める米国が韓国にも制限措置に加わるよう求めた、と韓国メディアが相次いで報じた。韓国紙は「米中の板挟みになり、THAAD問題の再現?」と懸念した。資料写真。

中国の通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)排除を進める米国が韓国にも制限措置に加わるよう求めたと、韓国メディアが相次いで報じた。韓国では在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備で、中国の報復にさらされた記憶が新しい。韓国紙は「米中の板挟みになり、THAAD問題の再現?」と懸念した。

朝鮮日報によると、米国務省関係者は最近、韓国外務省当局者に「今すぐではないとしても最終的に韓国からファーウェイをすべてアウトさせる必要がある」と述べるなど、ファーウェイ製品を使用すればセキュリティー問題が発生する恐れがあるというメッセージを持続的に伝えてきた。

聯合ニュースも「米国は次世代通信規格・5G技術をリードするファーウェイの安全保障リスクを取り上げ、同盟国に同社と取引しないよう迫ってきたが、韓国にもこうした立場をさまざまなルートで伝えている」と報道した。

韓国外務省の関係者は23日、「米国は5G機器に関するセキュリティー確保の重要性を強調しており、韓国もこの立場を承知している」と述べ、「韓米両国はこの問題について継続的に協議している」と説明。米国から要請があったことを認めた。

韓国側の対応について、聯合ニュースは「政府は今のところ態度を保留しているようだ。特に企業間の取引に政府が介入することに大きな負担を感じている」と指摘。朝鮮日報は「ファーウェイと韓国の民間企業の間の取引に介入するのは難しいという原則的な見解を示した」と踏み込んだ。

ファーウェイ排除に韓国政府がちゅうちょするのは、中国側の反発が無視できないためだ。韓国の中国向け輸出の割合は米国や欧州連合(EU)、日本を合わせた割合よりも多く、韓国経済の中国依存度はかなりの水準に達している。2017年の韓国の対中輸出額は1421億ドル(約15兆6700億円)で、輸出額全体の24.8%に達した。

外交消息筋からは「今回の事案で中国の報復措置はTHAAD配備時よりもはるかに強まる可能性が高い」との予想が出ている。現代経済研究院の試算ではTHAAD報復の影響で17年の1年間に韓国が受けた直接・間接的被害は最少でも8兆5000億ウォン(約7860億円)に上る。

朝鮮日報は元国家情報院第一次長の南柱洪氏の「非核化の方法論をめぐって亀裂が入った米国との関係修復や地政学的に近い中国との関係維持に努めなければならないのに、ファーウェイ問題が重なれば韓国の立場は難しくなるかもしれない」との見方を紹介。峨山政策研究院安保統一センターの申範チョル所長は「THAAD問題時、韓国は(米中の)板挟みになって右往左往したため見くびられているところもある。ファーウェイの件でも韓国の基準をはっきりとさせ、米中両国の圧力から逃れる『すき』を見いださなければならない」と訴えた。(編集/日向)

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