安くなくなる「メード・イン・チャイナ」、物価が日韓に肩を並べる可能性も―中国紙

Record China    2013年4月15日(月) 8時40分

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12日、中国の物価水準は将来日本や韓国に肩を並べる可能性がある。資料写真。

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2013年4月12日、日本の物価の高さは世界的に有名だ。日本に行ったことのある友人によると、日本でスイカ1個を買うのに必要なお金で、北京のスーパーなら1ダース買えるという。英誌エコノミストは以前、世界で最も物価の高い都市として東京を挙げた。だが高い物価に慣れている日本人は、最近落ち着けなくなってきたようでもある。なんと中国産野菜が国産よりも高くなったからだ。経済参考報が伝えた。

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日本経済新聞の記事によると、日本の卸売市場では中国産野菜の価格が高騰。タマネギやニンジンは1年前と比べ2−7割高くなった。「特にタマネギは過去14年間で最高の値をつけた。すでに国産野菜を上回ったものすらある」。東京都中央卸売市場の統計によると、2月の中国タマネギの卸値は1キロ112円で、国産よりも13%高かった。

日本での中国産野菜の高騰には、もちろん特定の要因がある。第1に異常気象。日本メディアによると、今年中国では天候不良の影響で多くの野菜の生産量が減った。中でもタマネギの生産量は例年の7割前後しかなかった。第2に海外需要の増加。中国産野菜の主要市場はアジアだ。韓国でも野菜の生産量が減少し、中国からの輸入を拡大した。日本側によると、韓国は今年、中国産タマネギを以前の2倍輸入した。需給が逼迫すれば価格上昇は避けがたい。

この他、円安の問題もある。安倍政権発足以降、円安は約10%進んだ。為替レートの変動に対応して、中国野菜も1割高くなった。円安がさらに続けば、中国産の価格が上昇し続けるのは必至だ。

だが中国産野菜の総生産量のうち海外供給分は小さな割合を占めるに過ぎない。野菜価格上昇の根本的原因は、やはりコストの上昇だ。これには土地、人件費、化学肥料などのコストが含まれる。様々なコストが積み重なって価格も上昇する。実は中国産野菜の高騰を最も肌で感じているのは中国の庶民だ。

中国産野菜の状況はまさに「メード・イン・チャイナ」の1つの縮図だ。過去30年間ずっと「メード・イン・チャイナ」は品質が良くて値段が安いことで世界中でよく売れてきた。だがここ数年、品質の良さは元のままだが、価格が上昇した。上昇し続けるコストを前に、一部企業は生産拠点を中国沿岸部から内陸部へ、あるいはベトナムやカンボジアへ移転せざるを得なくなっている。

中国のコスト上昇は、一部は以前の低賃金・低待遇の埋め合わせ的なものだが、一部は改革が徹底されていないことのつけだ。これには「シェールガス革命」のインパクトもある。米ボストンコンサルティンググループの研究によると、米国は生産性調整後の人件費が中国のレベルに近づきつつある一方で、天然ガスのコストは中国を下回っている。これは米国の多くの大企業が次々に米国に戻っていることの重要な原因でもある。

エネルギー消費率が高く、効果と利益の低い一部企業が生産拠点を移すことは経済モデル転換の客観的法則に合致するが、中国の一部地方にとっては産業移転は税収の減少、雇用の流失を意味する。ある程度の汚染軽減にはなるが、代わりに新たな、さらにハイレベルの産業が来ない場合、空洞化した都市が残り、より深刻な問題をもたらす。

人々の生活に関係する野菜は一般の「メード・イン・チャイナ」よりも注目度が高い。結局のところ、中国人より遥かに所得水準が高い日本人にとって、中国産野菜高騰による影響は限定的であり、中国国内での影響のほうが大きいことは明らかだ。もしこの趨勢に実効性ある対策を取らなければ、将来のある日、中国の物価水準は日本や韓国に肩を並べてしまう可能性が高い。すでに少なからぬ輸出商品にその兆候が見られる。

だが問題は、中国の住民所得は当分の間、日韓とはとても比べものにならないことだ。物価の過度の上昇は中・低所得者にとって悪夢だ。これは中国企業の競争力にも直接影響を与え、経済モデル転換にさらに多くの不確定性をもたらす。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/TF)

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