Record China 2019年5月4日(土) 5時20分
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北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、有罪判決が確定し服役していたベトナム国籍の女性が出所した。同件を報じた中国メディアは「朝鮮男子」を表現するなど、金正男の実名は使わなかった。写真はクアラルンプール。
北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母弟、金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件で、傷害罪で有罪判決が確定し服役していたベトナム国籍のドアン・テイ・フオン受刑者が3日、出所した。新華社など中国メディアの同件を報じたが、金正男の実名は使わず、「朝鮮男子」などと表現した。
金正男氏が、マレーシアのクアラルンプール空港で毒物を用いて殺害されたのは2017年2月13日だった。中国メディアの第一報などは確認できていないが、同年3月時点では、「金正男」の実名を用いず、「朝鮮男子」と表現する記事が発表されていたことが確認できた。
なお中国で、少なくとも政府発表の文書やメディアの記事は「北朝鮮」の名称を使わない。「朝鮮」または「朝鮮民主主義人民共和国」の語を使う。同国の領土は現在の実効支配地域だけでなく、韓国領も合むという、北朝鮮側の主張を受けたものだ。
ベトナム人受刑者の出所を報じる記事では、新華社が改めて「朝鮮男子」の語を用い、「金正男」の実名は使わなかった。また、人民日報系の環球時報は「“朝鮮金姓男子”」と表記した。
中国メディアが「“ ”」を使う場合には、「本来は使うべき表現でない」との意思がはっきり込められている。たとえば台湾関連の記事では「蔡英文“総統”」などと書く。中国は中華民国政府(台湾政府)を認めておらず、したがって「総統」なる役職も認めていないとの意思表示だ。
環球時報が「“朝鮮金姓男子”」の表現を使ったことは、「本来なら、朝鮮(北朝鮮)の金という姓の男子はおかしいが、仮にそう称する」との意思表示と理解できる。つまりメディアとして、「不自然な表現」と認めたことになる。
北朝鮮は同事件との関係を否定しつづけている。中国メディアが「金正男」の実名を避けていることが、北朝鮮側の意向を反映していることは確実。ただし、要請を受け入れたものか、「忖度」したためであるかは不明。(翻訳・編集/如月隼人)
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