人民網日本語版 2019年5月3日(金) 11時10分
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一世を風靡した人気レストランが次々と閉店している。
2018年に一世を風靡したネットで人気のインスタントラーメンレストラン「泡麺小食堂」は最近、各地のネットユーザーから経営がうまくいかず相次ぐ閉店の様子が伝えられている。目新しさがなくなると、グルメたちはわざわざ数十元(数百円)も払ってインスタントラーメンを食べようとは思わなくなった。たとえ一手間加わったスペシャルインスタントラーメンだとしてもだ。同じく一世を風靡したカフェ「答案奶茶」やチョコクロワッサン店「贓贓包」と一緒に登場した「贓贓茶」も今は見る影もない。この1年ほどの間に、ショート動画共有アプリ「TikTok」をはじめとするショート動画プラットフォームがネット人気グルメの発生源となり、一夜にして人気者になった食品がトレンドを追いかける若者たちのチェックリストに早速加わり、市場には「ネット人気レストラン」が雨後の筍のように次々誕生した。残念なことにネットでの人気は竜巻のように、一気に押し寄せたと思ったらすぐに去っていってしまう。北京青年報が伝えた。
日本の人気ドラマ「深夜食堂」とその中国リメイク版には、店の主人が客に温かいインスタントラーメンを出す場面がある。緑の野菜を少しと目玉焼きを加えただけのラーメンが、冷え込んだ深夜に身体も心も温めてくれる―。この光景がいつの間にかきっかけになり、中国国内でインスタントラーメンレストランのブームが起きた。
「泡麺小食堂」の店舗に入ると、壁一面の棚に世界各国の100種類以上のインスタントラーメンが並んでいる。マレーシアやタイのラーメンには異国情調があり、台湾の排骨鳥スープ麺は濃厚な肉味噌味で、昔からある出前一丁は日本から香港に輸出され、カフェで大人気になったものだ。これだけいろいろな種類がそろっていれば、お気に入りがきっと見つかる。「泡麺小食堂」は店構えは大きくないが、インテリアがしゃれていて、よく見かける手軽なインスタントラーメンに「繊細な感じ」を漂わせ、強烈なコントラストをなして、オープンすると独特なセールスポイントによって急速にネット人気店のど真ん中に躍り出た。検索すると、北京でまだ営業しているラーメン中心の店舗は15店ほどあり、店名は少しずつ違い、価格は平均30元(約500円)ほどだ。
ただのラーメンが数十元の商品に生まれ変わる「奥義」はその見た目にある。食べる時は器に盛り付け、ハート型や花型の目玉焼き、かわいらしいタコさんウィンナーを飾る。それから写真を撮ってSNSにアップすると、すべてのプロセスが完了する。
しかし、SNSで公開するということは、新鮮味がなくなるということを意味する。グルメの「泡麺小食堂」へのツッコミで最もよく言われるのは価格の高さだ。緑の野菜、肉類、タマゴなどを加えると、1杯で10数元から数十元になる。インスタントラーメンといえば一般的に想定される価格は2~5元ほどで、具材が加わっただけで10倍に跳ね上がるのに多くの人はついていけない。深センの店舗オーナーは、「高いお金を払ってわざわざインスタントラーメンを食べるより、家で自分で作って好きなものを入れた方がずっといい。オープン当初は若い男女が来て写真を撮っていたが、しばらくすると休日でも閑古鳥が鳴くようになった。ネット人気レストランはどこもこんなものだ。自分は痛い出費でいい教訓になったと思っている」と話す。
価格だけでなく、ハードルの低さによる同質化もレストランブランドが持続的競争力を持ち得ない原因だ。「泡麺小食堂」が人気になると、同じような店が次々誕生して、独自性が失われていった。人々が見た目に飽きてきたこと、参入ハードルがもともと低かったことなどもあり、一時のブームが去ると、「泡麺小食堂」は徐々に低迷していった。
同じく一世を風靡したカフェ「答案奶茶」やチョコクロワッサン店「贓贓包」と一緒に登場した「贓贓茶」も今は見る影もない。
業界関係者は、「新鮮味による一時的な消費だけでブランドに持続的な競争力を注入することはできない。消費者にしてみれば、レストラン(商品)を続けて何度も消費するかどうかを決める根本的な要因は、なんといっても味や品質だ。ネットで人気のメニューが、見た目がよく写真映えするのでSNSに上がっただけなら、それはほぼ一時的な消費に過ぎない。企業が見た目を重視するだけで、本質を大切にせず、ユーザーの基本的ニーズを軽視することになれば、最終的には後からきたもっとよいものに淘汰されることになる」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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