アップルとクアルコムが和解 5G版iPhoneまもなく発売か

人民網日本語版    2019年4月18日(木) 18時10分

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北京時間の17日、米国の半導体大手クアルコムとアップルが合意に達し、スマートフォンの特許をめぐる知的財産権の訴訟を取り下げたことを明らかにした。

北京時間の17日、米国半導体大手クアルコムとアップルは合意に達し、アップルの契約メーカーとの間の訴訟を含む進行中のスマートフォンの特許をめぐるすべての知的財産権の訴訟を取り下げたことを明らかにした。中国新聞網が伝えた。

これはアップルとクアルコムとの2年に及ぶ法廷闘争がついに幕を閉じたことを意味する。このような結果に至ったのはなぜか。双方の和解は5G市場にどのような影響や変化をもたらすだろうか。

▽アップルの負けかウィンウィンか

合意に基づき、アップルはクアルコムに和解金を支払う。双方はさらに期間6年間のライセンス契約を結び、2019年4月1日に発効するとした。2年間の契約延長の選択権や数年間のチップセット供給についての合意も内容に含まれる。

和解はアップルの負けにみえるが、実際にはウィンウィンであると考えられる。アップルは5Gスマホのチップ供給の問題を解決し、クアルコムは注文を獲得したからだ。

資本市場ということを考えると、今回の和解はウィンウィンだといえる。このニュースが伝わると、クアルコムの株価は23.21%上昇と大幅に値上がりし、1999年以来の単日の上昇幅の記録を更新した。時価総額も約145億ドル(1兆6233億円)増加して、853億ドル(約9兆5485億円)に達した。アップル株価も0.01%上昇と小幅に値上がりした。

独立系の電気通信アナリストの付亮さんは、「和解には別の役割もあり、外部の『アップルには使えるチップがないのでは』という疑念を解消するためにプラスにはたらくが、アップルが今年5G版のiPhone(アイフォーン)を発売することはないだろう」と予想する。

▽ネットユーザーの矛先はインテルへ インテルは5Gモデムから撤退

和解のニュースが流れると、ネットユーザーは米通信半導体メーカーのインテルのベースバンド信号の不調を相次いで批判するようになった。

「iPhone XR(アイフォーン・テンアール)の信号は使用感が実によくない」、「というのも、XRとXS(iPhone XS、アイフォーン・テンエス)はテスト製品だからか」、「XSの信号不調問題を誰かになんとかしてもらいたい」、「インテルはだんまりを決め込んでいる」、「5GのiPhoneにはまだ希望がある」といった声が上がった。

アップルとクアルコムが争っている時にアップルが発売したXRとXSには、インテルのベースバンドが採用されていた。

興味深いのは、アップルとクアルコムが和解を発表したその日に、インテルが5Gスマホ向けモデム事業からの撤退を発表したとともに、PC、モノのインターネット(IoT)設備、その他のデータを中心としたデバイスにおける4G・5Gモデムの機会への評価を完了するとしたことだ。

しかし、インテルは5Gネットワークのインフラ事業には引き続き投資するとも述べた。同日のインテル株価は取引の中で大幅に値下がりし、終了時の上昇幅は0.76%にとどまった。

▽双方の和解は5Gがらみか

アップルとクアルコムの紛争中、アップルはインテルと戦略的協力を結んだ。これについてアナリストはそろって、「アップルはインテルの5Gチップを採用するだろう」との見方を示した。

4月初めには、インテルがアップルへの5Gチップ引き渡しを引き延ばす可能性があるとの情報が流れた。協力パートナー探しでつまずいたアップルは、独自に5Gチップを開発すると決定したが、製品が完成するのは早くて2021年ということだ。

21年になってアップルは5G版のiPhoneを発売するということになれば、実に非常に不利なことになる。華為(ファーウェイ)やサムスンを含む各携帯電話メーカーはすでに5G携帯を発売しており、一部の機種は年内の海外展開が予定されるからだ。

付さんは、「アップルがチップを独自開発してもよいし、インテルのチップの発展を後押ししてもよい。どちらも『スペアタイヤ』を用意することになるからだ。だが5Gの初期には、こうした『スペアタイヤ』では十分なパワーを発揮することは難しい。今のタイミングでの和解は、これ以上引き延ばせないタイミングを選んだといえる。これ以上引き延ばせば、双方ともにより大きなマイナス影響を受けることになるからだ」と分析する。(編集KS)

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