第15回日中韓自由貿易協定（FTA）交渉会合がこのほど東京で開催された。3カ国は物品貿易、サービス貿易、投資、ルールなど重要議題について踏み込んだ意見交換をし、前向きな進展を得た。また、3カ国が共に参加する域内包括的経済連携（RCEP）のこれまでの共通認識を踏まえて、貿易と投資の自由化水準をさらに高め、高水準のルールを取り入れ、「RCEPプラス」のFTAを築くことで一致した。日中韓は連携してFTAを推進することで、多角的貿易体制を守り、一国主義と保護主義に反対する共通の決意を示した。（人民日報「鐘声」国際論評）

日中韓3カ国は共に自由貿易の受益者であり、積極的な提唱者でもあり、自由貿易の維持は3カ国共通の願いだ。保護主義が蔓延し続け、多角的貿易体制が打撃を受ける中、世界第2、第3、第11の経済大国である日中韓が協力を強化する必要性と緊迫性は一段と明白になっている。「保護貿易主義の台頭の勢いを前に、3カ国は共に声を挙げ、アジアで自由貿易を推進するべきだ」と、日中韓協力事務局の李鍾憲事務局長は指摘する。

現在の国際情勢の下では、開放を拡大し続け、地域統合を促進することこそが真に責任ある行動だ。世界はすでに、互いに融合して切り離すことのできない地球村となっており、各国の経済・社会発展は日増しに互いに結びつき、影響し合うようになっている。保護貿易主義に勝者はなく、相互接続を推進し、融合を加速することこそが共同繁栄・発展を促進する正しい選択であることは、すでに事実が証明している。

開放か閉鎖か。各国の知恵が常に試されている。英紙フィナンシャル・タイムズの経済論説主幹にいたっては、開放と閉鎖のどちらを選ぶかは国運に関わるとまで述べている。保護主義の圧力を前にしても、中国は揺らぐことなく開放拡大の道を選択する。中国にとって自由貿易圏の拡大は、まさに重要な措置だ。昨年11月までに中国は17のFTAに合意した。アジア、中南米、オセアニア、欧州、アフリカの25カ国・地域に及び、現在も28カ国と13のFTA交渉または高度化交渉を進め、9カ国とFTAのフィージビリティスタディーまたは高度化研究を行っている。周辺国に立脚し、「一帯一路」を広げ、全世界に向かう。中国は高水準の自由貿易圏ネットワークの構築に尽力している。

中国はより高水準の開放を推し進め、開放型世界経済と人類運命共同体を構築する。これが経済のグローバル化を効果的に後押しし、多角的貿易体制を効果的に守り、各国間の開放協力及び共同発展を効果的に促進することは間違いない。開放・流通、互恵・ウィンウィンの道の拡大が、世界各国の人々にさらに多くの幸福をもたらすことは間違いない。（提供/人民網日本語版・編集/NA）