Record China 2019年4月14日(日) 10時0分
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防衛省は3月末、「南西諸島の防衛強化」の一環として、鹿児島県・奄美大島と沖縄県・宮古島に陸上自衛隊の駐屯地を開設した。これに対し、中国メディアは「外に向け高圧的な姿勢を示している」と警戒している。資料写真。
防衛省は3月末、「南西諸島の防衛強化」の一環として、鹿児島県・奄美大島と沖縄県・宮古島に陸上自衛隊の駐屯地を開設した。海洋進出を強める中国を念頭に置いたもので、中国メディアは「南西諸島の軍事化と要塞化を試みている」と批判。「外に向け高圧的な姿勢を示している」と警戒している。
南西諸島は鹿児島県の大隅諸島から沖縄県の与那国島まで全長約1200キロに達する。本州とほぼ同程度の広大な海空域を有するが、陸自はこれまで主戦力を配備していなかった。
奄美大島では奄美駐屯地(奄美市)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町)を新設し、計約550人を配備する。奄美駐屯地に初動対応を担う警備部隊と航空機や巡航ミサイルを迎撃する地対空ミサイル部隊が駐留する。瀬戸内分屯地には警備部隊と艦艇に備えた地対艦ミサイルなどを配備する。宮古島では宮古島駐屯地(宮古島市)に警備部隊約380人を配置。来年以降に地対空・地対艦ミサイル部隊も配備し、最終的に計700~800人規模となる方向だ。
こうした動きについて、中国網は「陸自の警備部隊とミサイル部隊のみにとどまらない。防衛省は2018年3月、釣魚島(日本名・尖閣諸島)などで起こりうる不測の事態への対応を口実とし、日本版海兵隊と呼ばれる離島防衛専属部隊『水陸機動団』を設立していた」と言及。「水陸機動団は南西諸島および周辺地域の戦略的抑止力の強化の重要な一環だ」と説明した。
続いてアナリストの「日本の南西諸島における軍事力の配備は、冷戦時代の『包囲予防』の意味合いが強い」との見方を紹介。「奄美大島、沖縄、先島諸島などの選択を見ると、(九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアの諸島群などを結ぶ)いわゆる『第一列島線』とほぼ重なっている。特に重要な島しょに警備・ミサイル部隊を配備することで、太平洋を出入りする艦艇を監視する海の砦(とりで)にすることができる」と解説した。
さらに「日本政府は(尖閣諸島を国有化した)2012年より引き続き『南西諸島が脅威にさらされている』という世論の雰囲気を醸成し、『防衛の最前線を外側に延長』する口実をつくっている」と非難。「新たな防衛計画の大綱の決定を背景とし、日本は隣国の脅威を誇張することで大量の武器装備品を調達し、軍事拡張に取り組む口実をつくろうとしている」とも主張した。
一方で中国網は「日本が南西諸島に配備する防衛力の『使いやすさ』については別の問題だ」と指摘。「海上の艦隊から力強い支援を受けなければ、南西諸島の防御には奥行きがない。敵国は数百キロ離れた空から攻撃を仕掛けることが可能だ。そのため日本がいくつかの海上拠点により、監視もしくは包囲の効果を発揮しようとしても現実的ではない」と冷ややかにみている。(編集/日向)
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