暗礁に乗り上げる南北交流、北朝鮮・金正恩委員長のソウル訪問も「困難」と韓国大統領府

Record China    2019年3月16日(土) 16時20分

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米朝首脳会談が事実上、決裂したことに伴い、韓国と北朝鮮の交流事業が暗礁に乗り上げている。韓国大統領府は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長のソウル訪問の実現が困難と認めた。資料写真。

米朝首脳会談が事実上、決裂したことに伴い、韓国と北朝鮮の交流事業が暗礁に乗り上げている。韓国大統領府は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長のソウル訪問の実現が困難と認めた。韓国としても米国の意向は無視できず、金剛山観光や開城工業団地の再開などは足踏みせざるを得ない状況だ。韓国・聯合ニュースが2019年3月15日付で報じた。

聯合ニュースによると、2月27、28日にベトナムの首都ハノイで行われた米国のトランプ大統領と金委員長の首脳会談を控え、韓国政府は会談の結果が南北関係の発展の追い風になると予想し、各方面で準備を進めていた。会談後の開城工業団地の再稼働や金剛山観光事業の再開に加え、南北の鉄道・道路の連結、山林協力など南北交流・協力事業を本格的に推進する計画だった。

さらに南北は北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所を通じ、鉄道・道路に関する資料をやり取りし、連結事業のための努力も続けていた。北朝鮮の非核化措置に対する「相応の措置」として、金剛山観光事業の再開などを例外として米国が認めるとの期待があったが、米朝首脳会談ではこれらも合意に至らなかった。

韓国の文在寅大統領が昨年(2018年)9月に平壌を訪れて行った3回目の南北首脳会談では、金委員長のソウル訪問はも決まっていた。北朝鮮最高首脳の訪問は実現すれば初めてで、南北融和を急ぐ文政権は「早ければ年内にも」と働き掛けていた。

しかし、2回目の米朝首脳会談が不調に終わったため、実現は一挙に遠のいた。韓国大統領府の文正仁・統一外交安保特別補佐官は12日、ソウル市内で行われた討論会で、金委員長のソウル訪問に関して「現段階では容易ではない」と発言した。ただ、局面打開に向け、文大統領と金委員長が板門店で非公式会談を行う可能性は排除しなかった。

米朝首脳会談後、北朝鮮メディアは連日、「完全な非核化」との立場を表明しながら、米国に対して「段階的同時行動」に乗り出すよう求めている。北朝鮮の対外宣伝インターネットメディア「メアリ」は13日、ハノイの首脳会談で提案した寧辺の核施設廃棄とそれに相応する「部分的制裁解除」の要求は「信頼醸成と段階的解決の原則に従う最も現実的で大きな歩幅の非核化措置だ」と主張した。

これに対し、米朝実務交渉の米側代表を務める国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表は「段階的な非核化はない」と明言。北朝鮮が大量破壊兵器を完全に除去する場合に限り、制裁解除など相応措置を取ることになる「トータルソリューション」を前面に掲げている。

米朝の溝は大きいままで、韓国は動きが取れない状況だが、こうした中、韓国外務省は13日、「2019年の主要業務推進計画」を発表。「米朝が文大統領に寄せる信頼をもとに双方が接点を探る過程で主導的な役割を果たす」と強調した。(編集/日向)

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