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<コラム>中国の抗日パチモノレゴを作ってみた

岩田宇伯    2019年3月8日(金) 22時30分

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中国では抗日グッズがいろいろ売られているのは前回のコラムでレポートした通り。そのなかで紹介した本家レゴブロックにはない抗日戦、朝鮮戦争、WW2ヨーロッパ戦線のミニフィグのパチモノメーカー製品があるので買ってみた。

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●本家レゴ、中国でのニセモノ裁判に連勝

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子供から大人まで誰もを虜にするレゴブロック、80年ほど前、木のおもちゃからスタートアップしたレゴ社も、今やワールドワイドに展開するグローバル企業でもある。当然中国にも進出しているが、どの外資企業も頭を悩ませるのはニセモノ対策。レゴブロックそのものは特許が切れているものがあるので、ジェネリック製品に関しては特に問題にならないが、本家レゴのラインナップをそのままパクったり、ロゴやパッケージデザインが非常に紛らわしいものも市場に溢れている。

2017年には広東省スワトウ人民法院にて「BELA(博楽)」というブランドのパチモノメーカーに対して勝訴、2018年には同じく広東省広州人民法院にて「LEPIN(楽拼)」に勝訴。いずれも丸パクリパッケージやロゴマークに対し損害賠償命令がパチモノメーカーに裁判所から出ている。レゴブロックの有名な製品「STAR WARS」シリーズに対し、「STAR WNRS」、「SPACE WARS」といったように、 パチモノメーカーはやりたい放題パクって商売していた。(画像1)近年は政府の取り締まりで目立たなくなったとはいえ、さすが中国最大級のニセモノ生産地、広東省ならではといえる裁判だ。

●日本軍、国民党軍、八路軍のミニフィグセットを買ってみた

中国では抗日グッズがいろいろ売られているのは前回のコラムでレポートした通り。そのなかで紹介した本家レゴブロックにはない抗日戦、朝鮮戦争、WW2ヨーロッパ戦線のミニフィグのパチモノメーカー製品があるので買ってみた。もちろん筆者得意の抗日ものだ。非常にややこしい言い方になるが、パチモノメーカー製とはいえ、本家レゴ社では展開していない製品なので、パチモノメーカーオリジナルの互換品といったほうが正しい。

まずは日本のアマゾンで日本軍セット、さすがアマゾン、こちらは翌日すぐに到着。そして八路、国民党、日本軍セットをアリババの個人向け通販サイトAliexpressで購入、こちらは2週間ほどで到着した。

いずれも前述の裁判のせいかパッケージはなし、ビニール袋にパーツごと小分けされた状態で送られてきた。(画像2)

パチモノレゴに関しては、以前購入したことがあるのだが、組み立てる前に人にあげてしまったため、今回が実質初体験であるので期待が膨らむ。

●早速組み立ててみた

とりあえずは Amazon から購入した日本軍セット、こちらはサイドカー、迫撃砲、重機関銃、馬といった抗日ドラマでおなじみのグッズもセットに同梱されている。こちらのメーカーは「デイロン」·というパチモノレゴではまあメジャーなメーカーだ。 (画像3)

Aliexpressから到着した兵隊セットはかなりツッコミどころが多く、特に同梱されてきた武器やグッズが色々おかしい、おそらく他の兵士シリーズの人民解放軍やアメリカ軍のパーツと共用しているためだと思われる。残念ながら設計図も何もないので野生のカンを駆使して組み立ててみた、メーカーも不明である。

どちらのセットも正確にパーツを小分けされているわけではないので、組み立て可能なものだけ先に作り、他のパーツはいろいろ探りながら作るしかなかった、パーツ数が少ないのと、もっとも大きな物がサイドカーということで、大した失敗もなく1時間少々で完成した。これが自動車や飛行機などの大物キットであったらかなり苦労しそうだ。

●ディテールの凝り具合が斜め上

「デイロン」製の日本軍は将校がチョビ髭だったり、兵隊が日の丸鉢巻をしているなど、かなり芸が細かい。また、装備に関して言えば首の日焼け止め「鬼子帽」や背嚢、38式歩兵銃にストラップがついていたり、迫撃砲の弾が発射できるなど変に細かいディテールに凝っている。もう一方の無名メーカー製品はそれほど凝っているわけではないが、ジオラマ遊びをする分には充分である。(画像4)

皆さん気になるパーツの精度に関しては、やはり建付けが甘かったり、固すぎたりする部分があるのは互換品なんで仕方のない部分もある。値段が値段なんで、そこは割り切るしかなさそうだ。

この互換ミニフィグ、いろいろなシリーズがあるので、ミリタリー好きやパチモノ好きの諸兄にもぜひ楽しんでいただきたいと思う。また、大物キットと違い、日本円で1000円以下と気楽な値段でも楽しめるので、失敗しても被害は少ないのでおひとついかがだろうか。

■筆者プロフィール:岩田宇伯

1963年生まれ。景徳鎮と姉妹都市の愛知県瀬戸市在住。前職は社内SE、IT企画、IT基盤の整備を長年にわたり担当。中国出張中に出会った抗日ドラマの魅力にハマり、我流の中国語学習の教材として抗日作品をはじめとする中国ドラマを鑑賞。趣味としてブログを数年書き溜めた結果、出版社の目に留まり『中国抗日ドラマ読本』を上梓。なぜか日本よりも中国で話題となり本人も困惑。ブログ、ツイッターで中国ドラマやその周辺に関する情報を発信中。

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