日中関係、歴史を鑑として初めて「氷を砕く」ことができる―中国大学教授

Record China    2013年1月30日(水) 9時12分

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29日、人民日報海外版の公式サイト・海外網は、復旦大学歴史学部教授で日本研究センター研究員の馮[王韋](フォン・ウェイ)氏が書いた日中関係に関する文章を掲載した。写真は今月17日南京大虐殺記念館に訪れた鳩山由紀夫氏。

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2013年1月29日、人民日報海外版の公式サイト・海外網は、復旦大学歴史学部教授で日本研究センター研究員の馮[王韋](フォン・ウェイ)氏が書いた日中関係に関する文章を掲載した。

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中国の習近平(シー・ジンピン)総書記は今月25日、訪中した日本・公明党山口那津男代表と会見した。習総書記は「歴史を鑑として初めて日中は未来に向かうことができる。日本側は中国人民の民族感情を尊重し、歴史問題を正しく処理すべきだ」と表明した。

習総書記のこの談話によって、しばらく困難に陥っている日中関係をいかに改善、発展させるかの方向性がはっきりと指し示された。日中関係を改善できるかどうかは戦略的互恵、経済貿易の相互利益、国民間の相互信頼を実現できるかどうかによって決まる。三者は互いに交錯し、影響し合っているが、最も困難かつ最も鍵となるのが国民間の相互信頼の確立だ。国民間の相互信頼の確立を難しくしている釣魚島(日本名・尖閣諸島)、靖国神社南京大虐殺、歴史教科書の「四大問題」はいずれも歴史問題だ。そして安倍氏を含む日本政界の一部要人が歴史問題において中国人民の感情を繰り返し刺激している最も根本的な原因は、日本社会に逆巻く極端な民族主義的思想傾向の存在にある。このため、日本の極端な民族主義を取り除き、日本に歴史への省察を行わせ、国民間の相互信頼を確立することが、日中関係改善の鍵となる。

なぜ日本は今にいたるも真に「歴史を鑑にする」ことができないのか?なぜ一部の極右政治屋は「歴史にかこつけて息を吹き返し」民意を煽動する手段によって、自らの政治的目的を達成することができるのか?これは探究に値する問題だ。

敗戦後、日本政府は「一億総懺悔」を打ち出した。だがこれは日本の学者、大沼保昭氏が言うように「最も責任の重い者が、最も責任の軽い人々に一律に総懺悔を呼びかけたもの」だった。歴史への深い省察および戦争責任を担う歴史意識の欠如は、依然として日本社会にあまねく見られる。安倍氏が「村山談話」に代わるものとしていわゆる未来志向の「安倍談話」を企んでいることの大きな原因もここにある。

歴史への省察が欠如しているより大きな原因は、戦後に日本の政治体制と政権機構が粉砕されなかったことにある。これは同盟国だった日本とドイツの戦後改造の最大の違いでもある。冷戦構造形成後、大量の戦犯と戦犯容疑者が釈放され、再び権力を握った。このうち安倍晋三氏の外祖父で第2次大戦のA級戦犯である岸信介は1957年から2回首相に就任したうえ、在任中に「日米安保条約」を改定した。安倍氏の靖国神社問題における姿勢および「日米同盟」の強調は、その外祖父と同じ流れを汲んでいる。

日本政界の要人の歴史への責任意識の欠如も、民意の支持する「東京裁判史観」が原因だ。悪しき「東京裁判史観」を最初に作りだしたのは、A級戦犯「全員無罪論」を打ち出したインド国籍の裁判官、ラダ・ビノード・パールだ。パールの見解によると東京裁判は「勝てば官軍、負ければ賊軍」の裁判であり、法理上の正義を欠く。彼の理論と見解は計り知れない影響をもたらした。2005年に靖国神社はパールの彫像をわざわざ建立。NHKテレビは特別報道を行った。2007年8月、首相在任中だった安倍晋三氏はインドを訪問し、パールの長男とわざわざ面会した。これは有権者からの支持獲得を狙ったものとの見方で日本メディアは一致している。

戦争責任への日本社会の省察の欠如は「草の根化」しており、依然として右傾思想さらには軍国主義への共鳴が日本の民間に少なからずあることを知らなければならない。だが政権担当者は、一部の民意の歓心を買うためだけに勝手にでたらめな事をしてはならない。一般人とは異なる大局観と責任感を持つべきだ。

では、日本政界の要人はどのような方法で歴史問題に向き合うべきか?習総書記は山口氏との会見時に「日中は両国の昔の世代の指導者のように、国家としての責任、政治的知恵、歴史への責任を具体的に示し、日中関係の困難の克服を促し、引き続き前向きに発展すべきだ」と指摘した。確かに、日本の昔の世代の指導者の歴史問題におけるいくつかのやり方は採用の価値がある。

周知のように、中曽根康弘元首相は1985年8月15日に初めて靖国神社を公式参拝して、中国などの政府や民衆の強い反発を呼んだ。だが翌年、彼は過ちを繰り返さなかっただけでなく、胡耀邦(ホー・ヤオバン)中共中央総書記(当時)に書簡を送り「戦後四十年たったとはいえ、不幸な歴史の傷痕はいまなおアジア近隣諸国民の心中深く残されております」と書いた。確かに、もし日本が中華民族の沈痛な歴史の集団記憶を無視し、中国人民の民族感情を傷つけ続け、歴史問題を直視せず、正しく処理しないのなら、国民間の相互信頼はどうして確立できよう?中曽根氏は書簡で「世界諸国民の国民感情を十分に尊重することが、平和友好、平等互恵、相互信頼、長期安定の国家関係を築き上げていくために政治家が賢明な行動を取るに当たり遵守すべき基本原則であります」と表明した。同じく首相である安倍晋三氏は、これを鑑とすることができるのだろうか?(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)

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