Record China 2019年2月23日(土) 20時10分
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日本新華僑報網は20日、83年前に起きた「2.26事件」から考える「愛国主義」への反省をテーマにした、復旦大学歴史学部教授・馮瑋氏のコラム文章を掲載した。資料写真。
華字メディア・日本新華僑報網は2019年2月20日付で、83年前に起きた「2.26事件」から考える「愛国主義」への反省をテーマにした、復旦大学歴史学部教授・馮瑋(フォン・ウェイ)氏のコラム文章を掲載した。以下はその概要。
「2.26事件」が以後の日本の進展に大きな影響を与えたと言われる理由は、「愛国でさえあれば正義」という社会風潮をピークに至らしめたことだ。今もなお多くの国や民衆が「愛国主義」の旗を高らかに掲げているが、われわれは愛国主義の本質が民族主義であることをはっきり認識しなければならない。
民族主義には2種類ある。一つは民族的なアイデンティティーを強調する旧来からの民族主義だ。そしてもう一つは「民族の利益至上」を強調する過激な民族主義である。実際、当時の日本の軍国主義や、ナチスドイツの民衆動員もまさに「愛国主義」によるものだった。
1936年2月26日、陸軍青年将校らが下士官兵1480人余りを率いて岡田啓介首相ら統治階級の重臣を次々に襲撃するとともに、川島義之陸軍相に「蹶起趣意書(けっきしゅいしょ)」を提出し、彼らの熱血に満ちた「愛国主義」の感情を示した。結局、首謀者の将校は捕らえられて処刑され、将校ら理論的な指導をした北一輝も逮捕、処刑された。事件の収束は、第1次大戦後における日本の青年将校運動の終わりを意味した。そして陸軍による政治中枢への介入がなされ、軍人政治が始まるのである。
「2.26事件」はわれわれが「愛国主義」を反省するうえで、二つの価値ある教訓を残した。一つは「どんなスローガンを掲げ、どんな初志を抱こうとも、秩序を破壊する行為は統治階級から許しを得ることができない」という点、もう一つは「愛国主義は必ずしも正しいものではなく、日本を軍国主義に走らせる大きな前提にもなった」という点だ。
「歴史は最も哲理に富んだ教科書だ」と言われる。われわれは、愛国主義の過分な喧伝は、人類の運命共同体をつくる上で間違いなくマイナスということをはっきり認識する必要がある。(翻訳・編集/川尻)
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