Record China 2019年2月7日(木) 13時10分
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中国メディアの新浪網は、J―10C(写真)など中国製戦闘機の輸出のための最後の障害が取り除かれたと主張する記事を掲載した。
中国メディアの新浪網は2019年2月6日付で、「J-20(殲20戦闘機)は非売品だがJ―10Cは輸出か? 最も重要な障害が取り除かれたからだ」と題する記事を掲載した。
中国の最新鋭戦闘機として最も有名な機体はステルス性が強いとされるJ―20だ。記事は「J―20の購入を希望する国が多いことは周知の事実」と主張した上で、J―20は中国空軍が「げんこつ」つまり自らの主力戦闘機として開発した機体であり、今後20年間は「非売品」であり続けると論じた。
中国とパキスタンが共同開発の名義で完成させた、FC―1(梟龍)については、パキスタン空軍が大量に配備した以外に、一部の国への輸入が始まったと論じた。
記事はさらに、中国が自国だけで造った戦闘機は、現在も正式に輸出された事例がないと紹介。ただし、これまでの報道により、J―10C戦闘機についてはラオスとバングラデシュからの購入申請を中国当局が許可したことで、J―10シリーズとしては初の輸出事例になる可能性が出てきたと論じた。
J―10の初期型は1998年に初飛行したJ―10Aで、記事によると、パキスタンやイラン、バングラデシュなどがJ―10A購入に意欲を見せたことがあったが実現しなかった。記事によると、重要な問題点としては、J―10が特に先進的でないため魅力に乏しかったこと以外に、ロシア製のAl―31エンジンを搭載していた点があるという。
記事は直接触れていないが、戦闘機用エンジンは寿命が一般に、機体そのものよりも相当に短い。そのため、機体を使用しつつ新たなエンジンを購入する必要が出てくる。中国からAl―31を搭載するJ―10Aなどの戦闘機を輸入した場合、補充用のAl―31をロシアから購入せねばならないことになる。
仮に中国製J―10Aを購入した後にロシアとの関係が悪化し、ロシアがAl―31の売却を拒否すれば、購入したJ―10Aは「無用のがらくた」にもなりかねない。ロシアが中国の航空産業をけん制するために、エンジン輸出を規制するかもしれない。実際に、中国がライセンス生産を認められたロシアの戦闘機を「無断改造」して自国開発機として登場させたことで、ロシア側が強い不快感を示したことがある。
そのため、ロシアから継続してエンジンを入手することについての不安が、中国にとってはJ―10A輸出の大きな障害になったの見方がある。
中国はロシアのAl―31に代替できるエンジンとして、1980年代後半にはWS―10(渦扇10)エンジンの開発に取り組んだ。長期にわたり「問題多発」の状態が続いたが、シリーズとしてWS―10A、同BWS―10、WS―10C、WS―10D、WS―10G、WS―10H、WS―10Xの7タイプを完成し、性能をかなり向上・安定させ、寿命も伸ばしたとされる。例えば、WS―10Gの推力は155キロニュートンに達し、中国最新鋭のJ―20にも使えるという。
記事は、2018年に完成したJ―10Cでも、いまだにロシアのAl―31が搭載されている例があることにも言及。理由として、中国が新型エンジンを開発したとしても量産するまでには数年間が必要であり、それ以前に購入したAl―31を倉庫で眠らせておくわけにはいかないからと説明した。
記事は改めて、中国の戦闘機について「完全国産化を実現してこそ、輸出の制限がなくなる」として、「WS―10シリーズのエンジンで、中国の戦闘機にあった最後の障害が取り除かれた。このことは極めて重要だ」と主張した。(翻訳・編集/如月隼人)
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