人民網日本語版 2018年12月26日(水) 8時0分
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北米や欧洲、オーストラリアなど、中国人に人気の不動産投資先の不動産価格が下落している一方で、今年は日本で不動産を購入する中国人が増加している。写真は札幌。
北米や欧洲、オーストラリアなど、中国人に人気の不動産投資先の不動産価格が下落している一方で、今年は日本で不動産を購入する中国人が増加している。あるベンチャー投資家が最近、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)に、京都の通りを「一思いに買った」として、11軒の古い町屋が建ち並ぶこの通りを「蛮子花間小路」と命名したと書き込んで話題となった。その後、同投資家は、クラウドファンディングを実施して、それら町家を民泊施設にリノベーションすることを発表した。銭江晩報が伝えた。
日本の不動産を購入して民泊施設にリノベーションすることは今それほどの人気なのだろうか?日本に住んで4年になるという民泊施設経営者の李簡(仮名)さんを取材し、日本での不動産購入について聞いた。
■4800万円で物件を2軒購入し、民泊施設で利益あげる
李さんが日本に住むようになったのは旅行がきっかけだという。2013年、北海道を旅行した李さんは森林カバー率が70%以上のその地が気に入り、「北海道の景色は北欧にも負けない。そこに住みたいと思うようになった」と振り返る。
そして1年後、李さんは妻と共に投資経営ビザを取得し、北海道に住むようになった。「北海道の一戸建てを2軒買った。1軒は築3年の新しい物件で、もう1軒は築25年の中古物件。一部をリフォームして合計300万元(約4800万円)使った」という。
李さんは「200万元(約3200万円)の家を買うと、印紙税、登録免許税、不動産取得税など約2万元(約32万円)かかるが、コストとしてはそれほど高くない。土地も家も永久所有権があり、毎年固定資産税も評価額の1%。一戸建ての場合、マンションのような管理費も必要ない」とする。
その当時、李さんは日本が「観光立国」を推進し、各国にビザの発給要件を緩和しているため、訪日外国人が激増していることを知った。日本観光局の統計によると、2017年、訪日外国人は以前に比べて20%増え、その数は今でも右肩上がりとなっている。東京や大阪、北海道などの旅館は予約でいっぱいで、ホテル・旅館は30%以上不足していた。
「その当時ちょうど民泊が大人気となり、購入した物件2軒を15年初めにリフォームして、1軒は全て民泊施設にして、1軒は自分たちが住んで、一部を民泊施設にしている。民泊許可を取得しているので、部屋を年間180日間貸し出すことができる。1年の半分ほどであるものの、日本の宿泊料金は高く、北海道なら1人1泊500-600元(約8000-9600円)、2人で1泊800-1000元(約1万3000-1万6000円)、1軒単位で貸すと1晩3000元(約4万8000円)からとなる。180日間だけでも十分の收益がある。北海道は冬のオンシーズンが12月から3月中旬、春・夏のオンシーズンが5月から9月中旬なので、180日間もあれば十分。残りは友達に泊まってもらったり、空けたままにしたりしている」という。
李さんの計算では、1軒全てを貸出している物件の年間投資利益率は18%、一部を貸出している物件の年間投資利益率は15%で、平均16.5%。ここ数年、李さんの紹介で日本の不動産を購入して民泊施設にしている友人は10人以上おり、年間投資利益率は約15%だという。
■日本では「不動産転がし」は不向き
実際には、不動産バブル崩壊後の「失われた20年」の間、日本人の間では、「不動産」はあまり話題になってこなかった。
ある報道によると、日本では家が余っており、田舎には無料で住民を募集している家もあるほどだ。それらの「無料の家」はほとんど辺鄙な田舎にあり、JRの駅からも遠い。李さんは、日本で不動産を購入するなら、人気の観光都市の物件がお勧めだとしている。同じように不動産を購入して民泊施設にするとしても、都市によって政策も異なる。今年から施行が始まった民泊新法は、以前はグレーゾーンだった日本の民泊を正式に合法化すると同時に、それを厳しく規制した。例えば、京都では、毎年1月15日から3月15日のみ解禁となり、兵庫県は住居専用地や子育て施設の周辺では年間を通じて営業を禁止している。
20年の東京五輪、25年の大阪万博などが刺激となり、日本の一部の地域の土地や不動産は高騰している。しかし、李さんは、短期的な不動産転がしをするなら、日本は不向きとの見方を示し、「日本人は家の購入にそれほど熱心ではなく、『不動産転がし』という概念はほとんどない。多くの日本人は、40歳くらいまで働いて、貯金がある程度できてからマイホームを購入する。それに、日本は伝統的な意味での移民国家ではないため、不動産転がしをしたいと思って不動産を購入しても、次の買い手がなかなか見つからないだろう」とした。
ここ数年、日本の不動産価格は英国やカナダ、オーストラリアなど、人気の移民先と比べると、上昇幅は大きくない。李さんは、「北海道の不動産価格はここ数年あまり上昇していない。そのため、不動産転がしは割が合わない。日本では、不動産を購入して、民泊施設にするか、賃貸として貸し出す方が利益率が高い」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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