2019年3月14日、韓国経済など複数の韓国メディアによると、国連安全保障理事会傘下の対北朝鮮制裁委員会が12日（現地時間）、金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長の専用車について「明らかな制裁違反」との立場を示した。

記事によると、同委員会は年次報告書に金委員長の愛車であるベンツのリムジン、ロールスロイスのファントム、レクサスのLX570の写真を掲載し、「北朝鮮への輸出が禁止されたぜいたく品」と指摘した。写真は昨年行われた中朝首脳会談や米朝首脳会談などの際に撮られたものだという。また、韓国経済は「昨年9月の南北首脳会談で金委員長と共にベンツのリムジンに乗り、平壌市民に手を振る文在寅（ムン・ジェイン）大統領の姿も写っており、衝撃を与えた」と伝えている。

北朝鮮の制裁違反事例を告発する国連の公式文書に韓国の大統領の顔が掲載されたのは今回が初めてのこと。

また、今年初めに同報告書の草案が作成された際、韓国政府は文大統領が写った写真の掲載を阻止するため「総力を挙げて対応していた」という。そのため一部からは「米朝首脳会談が失敗に終わった後も対北朝鮮制裁緩和の必要性を主張し続けている韓国政府に対し、国連が『速度調節せよ』とメッセージを送ったのではないか」と分析する声も上がっている。

これに、韓国のネットユーザーからは「恥ずかしい。国際的な恥さらし」「本当に韓国の大統領？」「どこから仕入れた分からない車に乗ってパレードしたなんて」「不倫がばれた人が証拠写真を掲載しないでと言っているようなもの。誰のための対北制裁か考えよ。当事者が陰で違うことをしているから、『北朝鮮の首席報道官』と呼ばれてしまうんだ」「ベンツだけでなく、文大統領も制裁対象に含めてほしい」など、文大統領に対する厳しい声が多数上がっている。

また、「恥ずかしいことと分かっているから掲載しないよう求めたんでしょ？」「誰が北朝鮮にベンツをあげたのか、その写真を見れば明らか」「国連は文大統領＝金委員長と考えている。韓国に対する最後の警告だ」などと指摘する声も。

一方で、「相手国が準備した車に乗っただけ。何が問題なの？」「首脳会談しに行って『いや、乗れません』とは言えないだろう」などと擁護する声も上がっている。（翻訳・編集/堂本）