Record China 2012年11月24日(土) 6時14分
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23日、東洋学園大学人文学部の朱建栄教授は緊張する日中関係について、「5〜6年先に大きな転換期を迎え、両国のバランスがとれるようになる」と予想した。写真は尖閣問題について伝える中国紙。
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2012年11月23日、日本華字紙・中文導報はこのほど、中国の政治外交史が専門の東洋学園大学人文学部教授、朱建栄(ジュウ・ジエンロン)氏に今後の日中関係についてインタビューした。以下はその概要。
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日中両国は100年来の大転換期を迎えようとしており、いくつかの問題や一時的な緊張は想定内だ。日清戦争以降、中国は経済的にも軍事的にも長期にわたって遅れていたため、日本の国内世論や社会心理は「日本こそアジアのリーダー」と考えていた。そのアジアのリーダーの地位は今や決定的な挑戦と衝撃を受けており、日本人の心理や観念は最も苦痛な転換期と適応期に入った。日本が中国に嫌悪感を抱くのは自然なこと。追い越されることの苦痛が生んだ強烈な反応だからだ。
中国もさまざまな問題を解決するための転換期を迎えている。中国の総合力は日本を超えた。しかし、多くの中国人の心理はそれに応じた変化を遂げていない。中国人は日中関係に問題が生まれると、特に日本側から何かを仕掛けられるとすぐに怒る。この怒りが蓄積されるとデモになるのだが、少数の人間はこれをきっかけに破壊行為に出て、日頃のうっぷんを晴らそうとする。学術的観点からみても、こうした過激な反応は大国の反応ではなく、被害者意識の反映でしかない。今の中国人に必要なのは、成熟した大国の国民としての姿勢とその責任を負うだけの自信だ。中国という国にとっても政治的自信と大国の自信が必要だ。「日本人の対中感情がまた悪化した」といった情報にとらわれる必要はない。大切なのは中国人自身が正しくあることだ。
日本の尖閣諸島国有化以降、日中間の対立は深刻なものになっている。こうした対立は5〜6年先まで続くだろう。2017年から2018年には変化が表れるはずだ。2010年に中国の国内総生産(GDP)が日本を抜いた際には、日本の中国に対する爆発的な不満が触発される結果に。もし中国のGDPが日本の2倍になれば、新しい転換期が訪れるはずだ。中国が国内の発展と建設に努力し、社会問題を穏便に解決すれば、あと5〜6年で中国のGDPは米国に追いつき、経済規模は日本の2倍になる。それでも国民1人当たりの平均収入は日本人の5分の1に過ぎないが、国際的に重視されるのはGDPの総額だ。その時、日本の中国に対する見方も変わってくるだろう。現在、日本の外交戦略は米国と手を結んで中国をけん制することにある。中国と米国が肩を並べれば、日中関係はうまくいくようになる。弱国対弱国、強国対強国では争いが生じやすい。2国間の差が広がれば広がるほど感情的にならず、互いにののしりあったりしなくなるはずだ。
大局的に尖閣問題をみれば、現在の対立はしばらく続くと思われる。これまでずっと、日本は尖閣独占のための枠組みをしようと小細工を弄してきた。中国はここ2年ほどで、事実を示して道理を説くことだけでなく、国際法の枠組みのなかで主張することの重要性に気づいた。尖閣国有化は中国国内の反対を招いただけでなく、中国にとって新たに尖閣問題を考える良い機会となった。「中国が尖閣諸島全部を欲しがっている」「琉球諸島にも手を出そうとしている」というのは事実ではない。中国が求めているのは新しい均衡だ。尖閣問題が新たな均衡に達すれば、今後の日中両国間で新しい関係を構築する上で有利になる。尖閣問題については、話し合いの結果として棚上げになっても、共同開発になってもかまわない。肝心なのは、中国人に歴史的屈辱感を持たせないことであり、両国民に日中関係の経済・外交上の大局を重視・維持させるよう導くことだ。
中国と日本はともに地域や世界に責任を負うべき大国だ。日中関係の発展は両国にとっての利益だけでなく、アジア・太平洋地域の平和と発展の維持につながることから、両国の社会全体がこの責任を意識することを期待する。日本のメディアや学界、政府はみな中国の内政の大きな変化に関する知識が欠乏している。中国は強権国家ではない。しかし中国政府は国民に対してハッキリさせる必要がある。日中関係のなかにある領土紛争激化という邪魔な石ころを取り除き、新しい均衡をもたらすには、日中双方の体面が保てる手順を探さなければならない。このような意義からいっても、中国共産党大会は日本にとって中国を客観的に理解する契機になった。日本も間もなく総選挙だ。両国の新しい指導者が知恵と大局観をもって、現在の深刻な日中関係から抜け出すことを私は期待している。(翻訳・編集/本郷)
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