Record China 2018年11月17日(土) 13時30分
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韓国の人気男性アイドルグループ「防弾少年団(BTS)」の日本の番組出演が取り消された。韓国の芸能界が「限韓令?」と危惧する一方、日本企業の就職説明会には若者が殺到。日韓関係は複雑な様相を見せている。写真は防弾少年団。
2018年11月16日、韓国最高裁が新日鉄住金に徴用工への賠償を命じた判決が波紋を広げる中、韓国の人気男性アイドルグループ「防弾少年団(BTS)」の日本の番組出演が取り消された。韓国の芸能界が「限韓令?」と危惧する一方、ソウルなどで開かれた日本企業の就職説明会には若者が殺到。日韓関係は複雑な様相を見せている。
BTSのテレビ朝日の「ミュージックステーション」への出演が急きょ中止となったのは、メンバーの一人がコンサートで原爆投下によるきのこ雲の写真などをあしらったTシャツを着ていたことが理由とされる。出演中止に韓国紙は「最高裁判決とは無縁ではない」と非難一色。北朝鮮対応や文在寅政権の経済政策などでは主張が異なる各紙の論調がそろった。
保守系の朝鮮日報は「偏狭な日本のテレビ局」と報道。中央日報も「なぜBTSがスケープゴートにならなければならないのか」と訴えた。東亜日報は社説で取り上げ、「判決に対する政治的不満を文化報復という稚拙な方法で爆発させている。日本には『指導国家』の資格はない」と論じた。
左派系のハンギョレ新聞は「世界の主要メディアが相次いで報じ、出演が取り消された事実と共に日帝強占期(日本の植民地時代)の状況まで詳細に報道し、日本の戦犯行為を世界に知らせる起爆剤となっている」と伝えた。
各紙は日本メディアの記事を引用し、「来月放送されるNHKの「紅白歌合戦」、フジテレビ「FNS歌謡祭」、テレビ朝日「ミュージックステーション・スーパーライブ」などへの出演も相次いで白紙となった」とも報じた。
こうした中、朝鮮日報は韓国の芸能事務所関係者の「今回の件で両国間のポップカルチャー交流が冷え込み、日本発『限韓令』(韓流禁止令)に広がる恐れがある」との見方を紹介。在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備をめぐり、中国で韓国文化や製品が締め出されたと同じような動きが日本でも繰り返されかねない、と憂慮している。
日韓関係の険悪化とは対照的に、聯合ニュースなどによると、今月5日に釜山、7日にはソウルで開かれた日本企業への就職を目指す韓国人を対象にした説明会には、多くの若者が詰め掛けた。背景にあるのは韓国で深刻化する若者の就職難だ。
説明会は若者たち支援するため韓国政府が日本企業に呼び掛けたもので、ソフトバンク、日産自動車、全日本空輸(ANA)などの大手企業も参加した。日本企業の採用目標は釜山とソウルで合計約700人。事前に6200人の志願を受け付け、書類審査で対象者を2500人まで絞り込んだという。
朝鮮日報は「『雇用政府』を自負する今の政権は国内では雇用を確保できず、他国の企業に韓国の若者の採用を呼び掛けているわけだが、これは見ていて非常に歯がゆいものだ」と言及。「これまで教育を与え育ててきた若者を韓国で生かすことができず、日本企業に渡すという状況がわれわれの目の前で進んでいる」と嘆いている。(編集/日向)
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