Record China 2018年11月13日(火) 10時10分
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ユニオンペイ・インターナショナルの調べにより、訪日した中国人の8割超が支払いの際に現金しか使えず「困った、不便に感じた」経験を持つことが分かった。数千円までの決済で、特に問題が出ていると読み取れる結果となった。
銀聯国際(UnionPay International、ユニオンペイ・インターナショナル)の調べにより、訪日した中国人の8割超が支払いの際に現金しか使えず「困った、不便に感じた」経験を持つことが分かった。9月に実施した過去1年内に訪日経験がある中国在住の20~40代の中国人男女を対象に行ったインターネット調査の結果。数千円までの決済で、特に問題が出ていると読み取れる結果となった。
日本滞在中によく使う決済手段は、カード決済(77.9%)、QRコード決済(52.9%)、現金(45.2%)の順だった。決済手段を選ぶ際に最も重視するポイントは「使えるシーン(店舗)が多いこと」が38.4%で最も多く、「セキュリティー上安心」(32.3%)、「中国で普段使っている」(14.1%)が続いた。
現金決済も5割には満たないが、比較的よく使われているように見える。しかし、他の質問への回答結果と照合すると、「使いたくて使っているわけではない」実態も浮かび上がる。
「日本滞在中と中国それぞれで、現金を使わない日は1週間のうち、どのくらいありますか」との質問に対して、「中国では、1週間のうち現金を使わない日は7日(すべての日)」とした回答は26.0%に達した。つまり、中国では4人に1人が現金を使わなくても生活できるほど、キャッシュレス決済が浸透していることになる。ところが、日本滞在中に「1週間のうち現金を使わない日は7日」との回答者は1.9%に激減した。
逆に、「中国では、1週間のうち現金を使わない日は0日(現金を毎日使う)」と回答した人は7.7%だったのに対し、日本滞在中は49.0%が現金を毎日使うと回答した。中国国内では現金利用に「さようなら」または「ほぼ、さようなら」をした人も、日本では現金を使わざるをえない状況になっていることが分かった。
日本滞在中には、決済金額によっても手段がかなり違うことも分かった。1000円以下の決済では、現金決済が79.8%、カード決済が7.7%、QRコード決済は12.5%と使い分けていた。1001~5000円では、現金が33.7%、カードは32.7%、QRコードは33.7%と、現金決済が激減する。
本国滞在時に現金を使わない、あるいはあまり使わない人が多いことから、「1000円以下の決済では現金を好んで使う」のではなく、「現金しか使えない場合が多い」のであり、千円単位の決済になると対応店舗も増えだすので、すでに慣れ親しんだQR決済を利用すると考えられる。
日本を旅行する外国人が日本円の現金を利用するには、その前に「両替え」という手続きが必要だ。「可能ならば、そんな面倒なことはしたくない」というのが人情だ。1度で済まそうと思い多めに両替えしてしまえば、最終的には自国通貨に再両替しなければならないことにもなりかねない。
数千円程度の買い物で現金による決済しか受け付けてもらえず、「手持ちの現金が足りない」ということになれば、たいていの場合にはあっさりと諦めてしまうだろう。
同調査で、現金しか使えず「困った、不便に感じた」経験を持つ回答者が81.7%に達したことからも、数千円単位までの買い物の場合、対応店舗が増えればQR決済の利用率は大幅に増えると予測することができる。これまでに実施された別の調査でも、訪日した中国人が「困ったこと、不便に感じたこと」として、「現金による支払いしか受け付けてもらえなかった」を挙げた割合が多かった例がある。
売る側としては、決済手段の欠如のために、「買いたかったけど諦めた」という状況で商機をみすみす逃してしまうことになる。逆に、キャッシュレス決済を導入すれば、機会の喪失を防止することができるはずだ。
高額決済では、カード利用が急増する。5001~1万円では63.5%、1万1円~5万円では71.2%、5万1円以上では79.8%がカード決済を利用すると回答した。高額の支払いについてはカードが利用できる場所が多くなる。さらに、カード決済は中国で広く普及しているだけでなく、セキュリティーの安全さが評価されていることが、高額決済で主に使われる手段になっていると考えられる。(編集/如月隼人)
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