在日華人ら「65歳退職法制化は生活に影響」―中国メディア

Record China    2012年11月4日(日) 0時45分

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2日、在日華人は65歳退職法制化は生活に影響するとみている。写真は池袋。

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2012年11月2日、日本の参院本会議で今年、「高齢者雇用安定法」改正案が可決・成立した。改正案は、60歳の定年に達したが引き続き働く意思のある社員を65歳まで雇用するよう企業に義務付けている。では、この新規定は在日華人の生活にどのような影響があるのか?在日華人はこの問題をどのようにとらえているのか?中国新聞社が伝えた。

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▽日本の退職制度の崩壊を懸念

在日華人・龍昇さん(69)は1980年から1994年まで15年間働き、厚生年金を15年間払った。1994年に独立し小さな貿易商社を設立した後も、元の勤務先で厚生年金の最低納付額を2003年まで払い続けた。年金を受け取るようになってすでに6年経つ。退職後の生活について、龍さんは「住宅ローンはもうすぐ完済できる。14万円あれば、ぜいたくしなければなんとかやっていける」と話す。

定年が65歳に延長されたことについて、龍さんは「好ましくない。年金受給開始年齢を引き延ばし、支出を減らすのが狙いだが、若者は年金制度に懐疑的で、自分たちの老後には何歳まで待てば受給できるか、と心配しているだろう。若者の未納付につながり、自身で老後の解決を考えるようになる。日本の年金制度は崩壊するだろう」とみる。

▽65歳退職がよい

昨年60歳の退職年齢を迎えた在日華人・梁さんは日本の大手企業に19年間勤務した。退職後、再雇用制度により、引き続き元の職場で1年更新の契約社員として働いている。「60歳退職はかなり厳しい」と梁さん。退職前は正社員で、給与水準は高く、ボーナスも手厚かった。しかし再雇用後は契約社員となり、ボーナスは消え、年収は元の3分の1から4分の1となり、人間関係も微妙に変化した。

日本の工場で働く在日華人女性・張さんは退職から2年が経つ。「2年間苦しかった。できれば65歳退職がよかった」。正社員としては給与が多いわけではなかったが、厚生年金・健康保険があり、ぜいたくはできなくても、生活に困ることはなかった。2年前から年金受給が始まったが、65歳と60歳では受給額が異なる。現在は毎月わずか6−7万円だ。幸い子どもは社会人となり、主な生活支出は維持できるが、以前よりは厳しくなった。

▽経営者の見解はさまざま

在日華人企業経営者の多くは記者に対し、今後は社員の退職年齢、年金受給開始年齢は60歳から65歳に徐々に推移していくと述べた。一定規模の華人企業の多くは「新華僑(改革開放後に訪日した華僑)」が創業しており、年齢層が若く、フレキシブルな経営が売りのため、法改正による影響は大きくなる。年功序列は日本企業の経営文化であり、社員はベテランになるほど、給与は上がる。退職年齢が延長されれば、若年社員の雇用が減少、組織の高齢化や人件費の上昇、創造力の低下につながり、損失が大きくなれば、経営状況の悪化に追い打ちをかけることになる。本来、臨機応変な経営手法の華人企業のセールスポイントも大きく弱まってしまう。

しかし退職年齢の延長は企業にとって良いこともあると考える経営者もいる。あるハイテク企業の会長は「再雇用制度は早くに導入した。社員側は60歳の退職年齢に、退職か再雇用を選択できる。再雇用の場合、給与は10−20%下がり、各種保険・ボーナスは変わらない。退職金が支給されないだけ」と語る。同社には現在、60歳以上の社員が十数人いる。会社に残ったベテランの技術力は高く、新製品開発・サービスなどでも経験が豊か。60歳は彼らにとって、まだまだ働き盛り。また、ベテラン社員は社内の安定感を増す。社員間で信頼感が生まれやすく、情報交換も容易。愛社精神も養われやすいという。(提供/人民網日本語版・編集/TF)

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