五大銀行が韓国進出、高まる人民元建て決済の必要性―中国メディア

Record China    2012年10月30日(火) 10時55分

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29日、韓国観光発展局がこのほど発表したデータによると、今年の中国の国慶節(建国記念日、10月1日)連休期間中、韓国を訪れた中国人観光客はのべ12万5000人に達し、過去最高を記録した。写真は韓国の観光地。

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2012年10月29日、韓国観光発展局がこのほど発表したデータによると、今年の中国の国慶節(建国記念日、10月1日)連休期間中、韓国を訪れた中国人観光客はのべ12万5000人に達し、過去最高を記録した。中国人観光客が韓国に「落とした金」は約2700億韓国ウォン(約192億円)に上った。人民日報が伝えた。

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今年上半期、韓国のデパートや大手スーパーの売上高は経済低迷の影響により大幅に落ち込んだが、大型免税店の売上高は中国人観光客の大幅増加に後押しされる形で増加し、全体の低迷傾向とは逆に前年同期比30%以上増加して、増加率の記録を更新した。

中国人観光客がビジネスチャンスをもたらしたことを受け、銀聯カードに加盟する韓国の商店が年々増加している。銀聯カードは現在、韓国の最も多くの現金自動預払機(ATM)で使える国際カードだ。韓国政府は中国人観光客誘致のため、ビザの発給要件を一層緩和したほか、人民元建て決済を積極的に推進している。中国人観光客が多く訪れる地域では、商店が政府の後押しを受けて人民元建て決済を取り入れている。韓国のある有名デパートは今年6月、他社に先駆けて人民元建て決済を取り入れた。また韓国では、免税商品の人民元建て決済に際しての税還付業務も正式にうち出され、同国最大の仁川空港では今年8月1日から同業務を取り扱うようになった。これまで中国人は米ドル、日本円、韓国ウォンで還付を受けるしかなかったが、今では人民元で還付を受けることができ、還付金は銀行カードに直接還付されるようになった。

中国人観光客が韓国の商店にチャンスをもたらし、中韓両国の貿易規模が拡大を続けていることが、韓国経済の発展に活力を注入している。今年は中韓国交樹立20周年にあたり、この20年間に2国間貿易は急速に増加した。韓国側がまとめた統計によると。2011年の韓国の対中輸出額は対米輸出額と対欧州連合(EU)輸出額との合計を上回り、韓国の輸出額全体の約24%を占めた。中国は引き続き韓国にとって1番目の貿易相手国であり、1番目の輸出市場であり、1番目の輸入元国となっている。

中韓貿易の規模が拡大を続けるのにともない、両国間貿易で人民元建て決済の採用を推進しようという声が韓国で高まっている。韓国貿易協会国際貿易研究院の李鳳傑主席研究員によると、現在、中韓貿易は急速に発展しているが、両国の貿易決済はいまだに米ドルが中心で、双方ともに両替が負担となっており、決済額が米ドルレートの変動の影響を受けるということもある。中韓両国は金融分野の協力を強化する必要があり、二国間貿易における人民元建て決済の必要性が一層高まってきたという。

現在、中国の5大銀行(中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国交通銀行)はいずれも韓国進出を果たしている。中国銀行ソウル支店の黄徳(ホアン・ダー)総経理(支店長)の説明によると、増加を続ける韓国の対中貿易・投資活動に合わせて、同行はここ数年の間に海外で合意されたプロジェクトに対する資金の提供、海外決済代行、海外での資金の直接貸出といった国境を越えた人民元業務を相次ぎうち出してきた。今年6月末現在、同支店が輸出入業務で取り扱った人民元の現金は約15億元(約190億円)に上り、韓国で人民元現金の取り扱いが最も多い銀行となった。また、同支店は韓国の主要商業銀行14行との間で人民元建て決済合意を締結しており、決済金額はこれまでで約2億元(約25億円)に達した。

韓中経済協会の具天書会長によると、中国は韓国にとって最も重要な国であり、中国の発展が韓国にもたらしたチャンスはいたるところにあふれている。両国は自由貿易協定(FTA)の交渉を進めており、実現すれば双方の発展に新たなチャンスをもたらすことは確実だという。(提供/人民網日本語版・編集/内山)

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