Record China 2018年10月29日(月) 22時0分
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ブラジルの大統領選で、極右とされるジャイル・ボルソナロ氏が当選した。ボルソナロはこれまで、経済問題で中国批判を繰り返してきた。また、大統領選候補者として初めて台湾を訪問した。写真はブラジル最大の都市、サンパウロ周辺の光景。
28日に決選投票が行われたブラジルの大統領選で、極右とされるジャイル・ボルソナロ氏が当選した。ボルソナロはこれまで、経済問題などで中国を批判する発言を繰り返してきた。また、大統領選候補者として初めて台湾を訪問した。中国メディアの環球時報は、「ブラジルにもトランプが出現」「反中」などとして警戒する記事を発表した。
ブラジルでは2011年に就任したルセフ大統領まで、長年にわたり左翼政権が続いてきた。ルセフ大統領が政治資金問題で16年に失脚すると、テミル大統領による中道政権が発足。さらに2019年1月1日に発足するボルソナロ政権で、ブラジルの政治は大きく右に舵を切ることになる。
環球時報発表の記事よると、ロイター通信は数日前にすでに、「ボルソナロ氏の反中発言に中国は憂慮」と紹介する記事を発表した。ボルソナロ氏は中国企業がブラジルのエネルギー資源、農産物、砿業資源、さらに土地まで大量に購入していることを批判し「ブラジルの物産を買っているのではない。ブラジル(そのもの)を買っている」と論じたという。記事が、「ブラジルにもトランプが出現」と評したのは、そのためだ。
そのため、ボルソナロ政権は発足後、両国の各協定を、現状よりも中国側に大きく不利な内容に修正する可能性があるという。
ボルソナロ氏は軍人出身で、1960年代の「反共政権」に好意を示す発言をしたこともある。記事はさらに、1974年に中国とブラジルが国交を樹立してから初めて、大統領選候補の身分で台湾を訪問したと紹介。極右とされるボルソナロ氏が、大統領就任後も台湾に好意を示すとすれば、中国当局にとっては「頭の痛い」問題になるはずだ。
ただし清華大学に在籍して中国・ブラジル関係を研究するオッタビオ・コスタ・ミランダ氏は、トランプ政権下の米国とブラジルでは、状況が全く異なると指摘。米トランプ大統領は、貿易赤字などを解消しようとして中国に対して強硬姿勢で臨んでいるが、ブラジルは対中貿易で、例えば2017年実績で201億ドル(約2兆2500億円)と、巨額の黒字を続けているからだ。
そのため、ボルソナロ氏の「反中発言」は、ブラジル人口の40%を占める農業従事者や、鉱業企業には歓迎されていないという。
記事によると、ブラジルFGV大学で国際関係論を先行するオリバー・シュテンケル教授は、ボルソナロ氏の反中発言が「どんどんと減ってきた」と指摘。一方で女性の権利や性的少数者の問題での超保守的な発言で、有権者を驚かせるようになったという。
また、ボルソナロ氏が選挙期間中に発表した計81ページに上る施策方針でも、外交については最後の1項目しかなかった。そのため、ボルソナロ氏の反中発言は「無知」によるもので、大統領就任後の言動には未知の部分もあるが、有権者の多くを占める農業従事者を納得させるためにも、中国とブラジルの関係が「大風大波に遭遇することはない」との見方が出ているという。(翻訳・編集/如月隼人)
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