米ロサンゼルス公立学校の「旭日旗」壁画、消去に「待った」、ケネディ家も反対表明―韓国紙

Record China    2018年12月21日(金) 18時50分

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「旭日旗」を連想するとして問題視された米ロサンゼルスの公立学校の壁画の消去が「表現の自由を侵害」との反発で保留になった。学校はロバート・ケネディ元上院議員が暗殺されたホテルの跡地にあり、ケネディ家も消去に反対している。写真はロサンゼルス国際空港。

旭日旗」を連想するとして問題視されていた米ロサンゼルスの公立学校の壁画をめぐり、いったん決まった消去が「表現の自由を侵害」との反発で保留になったことが分かった。朝鮮日報などが伝えた。学校はロバート・ケネディ元上院議員が暗殺されたホテルの跡地にあり、ケネディ家も消去に反対しているという。

朝鮮日報によると、壁画はカリフォルニア州ロサンゼルス市内のコリア・タウンにある公立学校「ロバート・F・ケネディ・コミュニティー・スクール」の体育館の外壁に描かれている。2016年に行われた学校行事で画家のボー・スタントン氏が制作した。

壁画は赤い放射状の光が人とヤシの木の周りに広がるデザイン。スタントン氏は壁画に描かれているのは米国の有名女優、故エバ・ガードナーで、光の部分は旭日旗を意味するものではないと否定している。

ロサンゼルス市の韓国系コミュニティーは11月、ロサンゼルス統一学区に「作家の意図は分かるが、壁画は旭日旗を連想させる」として文書で抗議。統一学区側は学校の冬休み期間に壁画を塗りつぶして別の壁画を描くと応じた。

これに対しては、壁画の作家だけでなく検閲に反対する複数の団体から「表現の自由を侵害している」と批判の声が上がった。学校はケネディ元上院議員が1968年6月5日、大統領選キャンペーン中に暗殺されたホテルの跡地に建設されていることから、元上院議員の子どもたちも、壁画の消去に反対した。

息子の1人は16日、統一学区と学校側に壁画消去に反対する文書を送付。自身の意見が父だけでなく伯父のジョン・F・ケネディ元大統領をも代表している、と主張した。文書は「父は文化的にデリケートな事案に好意的だが、米国の民主主義の基盤は表現と言論の自由」だとして、「米国人は寛容と多様性を強く支持してきたため、父と伯父は検閲を嫌悪した」と訴えた。

さらに「父と伯父は政治的アジェンダ(重要課題)のために芸術作品を破壊した人々を最悪の悪党だと考える」と強調。「今回の壁画除去計画には非理性的で非難されて当然という部分があまりに多く、ばかげた欠点を列挙する論文が書けるほどだ」と批判した。

17日付の米紙ロサンゼルス・タイムズによると、統一学区は同日、「多くの反響があり、さらなる論議が必要だ」として、壁画の消去を当分の間、保留すると発表した。スタントン氏は弁護士を通じ、壁画が消去された場合は統一学区を訴える方針を示している。

一方、聯合ニュースによると、カナダ・トロントのエトビコ総合芸術高校では6年前に行われた学校の芸術祭で、学生らが歴史関連の演劇をした際に廊下に描いた旭日旗がそのままになっていた。それを見た韓国、中国やフィリピン系の生徒らが学校側に消すよう要求、学校側がこれを受け入れてペンキで塗りつぶすことになったという。(編集/日向)

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