中国湖南省耒陽市でこのほど、「年配者がバスの運転手に追い出された」として物議を醸している。16日に耒陽市が公式ホームページで詳細を明らかにした。

騒動が発生したのは12日の早朝。年配者がバスに乗った際、運転手から運賃の支払いか「老年証」の提示を求められた（中国のバスは前払いが一般的）。「老年証」は中国で発行されている年配者を対象とした優待パスで、耒陽市では65歳以上を対象に発行し、バスの乗車が無料となる。

年配者は「老年証」を出そうとしたが、提示する前に席に座ったため、運転手は同様の要求を何度か行った。最終的に「老年証」の提示に至ったものの、映像の一幕に発展し、運転手が年配者を追い出そうと荷物を車外に移動させた。

騒動を受け、現地関連部門は運転手が所属する企業に対し2000元（約3万2000円）の罰金を科し、運転手に対しては謝罪と1カ月分の給与差し押さえおよび解雇の処分を科した。さらに、市内の関連企業に対し同運転手をブラックリストに登録し採用しないよう求めた。ネットでは年配者を不憫に思う声や運転手に対する批判の声が多く寄せられている。（翻訳・編集/内山）